空気が乾燥しやすい季節になった。気になるのはのどや肌のトラブルだが、目も乾燥の危険にさらされている。目薬の適切な使い方などについて、「疲れ目を自分で治す本」の著書がある眼科医の味木幸(あまきさち)・あまきクリニック(東京都港区)院長に聞いた。 オフィスの湿度は秋から冬にかけて低くなりがちだ。特にパソコンを使い、目を酷使する人は要注意。「パソコンを使っていると、まばたきが通常の3分の1に減り、涙が分泌されなくなる」と味木院長は話す。 こうした状態が長く続くと、充血やゴロゴロ感が生じたり、目の粘膜に傷ができてドライアイになる恐れもある。痛みで目を開けていられなかったり、異物が入った時のように大量の涙が出る「反応性分泌」の症状が出ることもある。 市販の目薬はそんな症状を改善する。味木院長によると、目薬は大きく分けて(1)保湿(2)疲れ目(3)抗菌--の用途がある。1日当たりの使用の目安は充血止めが2、3回、保湿用が6回程度だ。また、「保湿用の目薬を多く使う場合は、充血止めの成分を含まないものを選んだ方がよい」という。充血は酸素や栄養を血液で補っている状態であり、抑え過ぎはよくないためだ。「充血止めは目をシャキッとさせたり、泣いて腫れた目の回復に効果的だが、使い過ぎないように」 一方、抗菌用は目にごみが入った時などに有効だが、市販の目薬に使える成分は限られる。このため「数日間使っても改善しない場合は、医療機関を受診すべきだ」という。 * 目薬の差し方や保管方法にも注意が必要だ。 まず、差す時は目薬の容器が目やまつげに触れないようにする。汚れやばい菌がつけば、目薬が汚染される可能性もあるためだ。 目薬がしっかり命中すれば、1滴でも十分な量があるので、何滴も差す必要はない。また、差した直後はまばたきをせず、1~5分程度、軽く目を閉じて目全体に行き渡らせる。目頭の少し下にある「涙のう」を押さえると、目薬が鼻に抜けるのを止められる。 「目薬は複数の人で共有しない方がいい」とも。差す際に目の分泌物などが飛び散る恐れもあるためだ。また目薬は持ち歩く機会も多いが、服のポケットや車中など高温になりやすい場所は避け、冷暗所に保管する。目薬の開封後は1カ月で取り換えた方がいい。 目薬以外のケアも重要だ。味木院長は「会社の自分の席の近くに小さい加湿器を置き、湿度を補うと効果的」という。時々、目を閉じて顔にぬれタオルを当てるだけでも保湿効果が見込める。 「一番いいのは自分の涙」だそうだ。涙を出す手段の一つはまばたき。「まばたきを意識する時は、涙が目全体に行き渡るよう、上下のまぶたをきちんと合わせること。中途半端な“空振りまばたき”ではダメ」という。「目の粘膜保護にはビタミンAがよいので、カボチャやニンジンなどを積極的に食べるなど、体の中から改善を」と呼びかける。 * 製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソンによると、市販の目薬は現在、約100種類ある。同社マーケティング本部の太田卓也さんは「日用品や雑貨のような感覚で持つ人が多い」と話す。 含有成分は大きく違わないが、成分の配合比率を変えることで「疲れ目対策」「潤い感」などの特徴を持たせているという。目覚めた時に使う「朝用」や、夏の紫外線からのダメージを抑える「UVケア」など多様な商品がある。 太田さんは「10年ぐらい前に比べ、パソコンや携帯電話の普及で疲れ目を感じる人が増えた。今後はニーズに合わせた商品の細分化がいっそう進むのでは」と話している。【五味香織】
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