今年の第39回毎日農業記録賞(毎日新聞社主催、農水省、県、県教委など後援)で、一般部門の日置市吹上町和田、県立農業大学校養豚科2年、瀬戸秀幸さん(19)の「豚を見続けて」と高校生部門の市来農芸高3年、東條貴行さん(17)の「畜産農家として生きる」が優良賞に輝いた。また、一般部門の天城町天城、農業、長藤京子さん(71)の「パルプ業から農業への転換」と高校生部門の加世田常潤高2年、小野夏美さん(17)の「輸入に頼らない日本を目指して!」が地区入賞に決まった。高校生部門で優良賞となった東條さんの喜びの声を紹介する。 ◆高校生部門優良賞 ◇畜産農家として生きる--東條貴行さん(17)=市来農芸高3年 ◇育牛、祖父とともに 長期休みのたびに、霧島市溝辺町で黒毛和牛18頭の肥育農家を営む祖父、北山輝己さん(74)宅に手伝いに行くのが楽しみだった。牛とのふれあいや自然と調和した生活が気に入り、夏は午前5時ごろから餌をやり、日中むせかえるような暑さの中、牛舎から軽トラック1台分のフンを運び出す作業も苦にならなかった。 中2の夏には初めて出産を手伝った。祖父が手際よく子牛の足にロープを縛り付け、20分ぐらい引っ張ると子牛が出てきた。だが、子牛はだらんとして身動きしなかった。祖父は人工呼吸を続けていた。子牛の体は冷たかった。初めて接する生き物の死にショックを受けたが、同時に「祖父は本当に牛を大事にしているんだな。自分も幅広い知識を持ち判断ができる人になりたい」と感じ、祖父の後を継ぎたいという思いが強まった。 高校卒業後は県立農業大学校に進学して知識をつけたいと考えている。将来的には、個々の牛のデータや牛舎の室温をパソコンで管理し、植物を使った緑のカーテンなどを用いて省エネルギーで快適な環境作りを進め、1年に1回、子牛が生まれるようにすることが目標だ。 大学校を卒業したら一緒に農家をやりたいと祖父に告げた。「じゃあ、牛舎つくってやっから」。祖父はうれしそうだった。【垂水友里香】11月5日朝刊
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