タイ洪水による工場被災や部品不足を受け、デジタルカメラやおもちゃなど幅広い商品に品薄の恐れが出ている。家電や自動車でも発売延期の動きが出ているほか、データを保存するハードディスク駆動装置(HDD)は一部製品が3倍以上に値上がりした。長期化すれば年末商戦に打撃となりそうだ。【竹地広憲、柳原美砂子】 「クリスマス商戦は明らかに影響が出る」。デジタル一眼レフカメラの主力工場が被災したニコンの伊藤純一副社長は、4日の決算会見で苦渋の表情を浮かべた。 デジカメでは、ソニーも年末商戦の目玉となる新製品の発売を延期。カシオ計算機も、年末商戦でスマートフォン(多機能携帯電話)のメール着信を知らせる機能などを盛り込んだ腕時計「G-SHOCK」の新モデルを投入する予定だったが、延期した。タカラトミーも現地工場が被災し、人気のおもちゃ「プラレール」が最も多く売れるクリスマス商戦で「品不足になる可能性がある」という。 発売延期は軽乗用車や家電、カーナビゲーションシステムにも広がっている。日産自動車は、タイで生産する「マーチ」の納期に遅れが出ている。 タイに生産拠点が集中するHDDは、現地工場の被災で供給量が減り、品薄状態となっている。東京・秋葉原のパソコンショップでは、記憶容量が1テラバイトの内蔵型HDDが「洪水前は約6000円だったが、今は2万円弱で3倍以上になった」(担当者)。 パソコン周辺機器大手のバッファローも2日、11月上旬以降に発売する外付けのハードディスク製品など55機種を実質値上げすると発表した。記憶容量が2テラバイトの売れ筋商品は従来より約5割高い2万2100円となる。同社は「HDDが高騰し、値上げしなければ赤字になる」と説明する。 HDDの供給不足は「下期全体では緩和される」(富士通)との見方が多い。だが、問題が長引けば「パソコンやブルーレイレコーダーなどにも反映される」(業界関係者)と製品価格の上昇を懸念する声も出ている。 タイからの輸入品が多い洋ラン「デンファレ」も、年末年始の需要期に向けて品不足が懸念される。国内最大手の花き卸「大田花き」によると、現地の農園が浸水被害を受け、空輸のスケジュールも混乱。担当者は「違う産地から調達を急いでいるが、来週以降は品切れや価格上昇の恐れがある」と話す。タイから多くを輸入するすしネタなどのエビ加工品も「エビ養殖池への被害はないが、長期化すれば物流網混乱や資材不足の懸念がある」(水産専門商社)という。
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