電子部品メーカーのイビデン(岐阜県大垣市)は、需要が急増しているスマートフォン(多機能携帯電話)向けのICパッケージ基板について、新たにフィリピン工場で生産を開始するため、70億円を投じて生産ラインの一部を仕様変更することを明らかにした。来年3月までに第1期工事を終え、同7月ごろの量産体制の構築を目指している。 ■月産量は6,000平方メートル 同社の広報担当者は2日、NNAの取材に対し、現地法人イビデン・フィリピン(IPI)がバタンガス州サントトマスの工業団地ファースト・フィリピン・インダストリアル・パーク(FPIP)で運営している工場において、来年からスマートフォン向けのICパッケージ基板(フリップチップパッケージ)の生産を計画していることを明らかにした。 同工場では現在、パソコン用ICパッケージ基板の生産を行っているが、減少傾向にある同製品の生産ラインの一部をスマートフォン用に変更し、さらにラインを増設するという。来年3月までに第1期工事を完了させ、同7月ごろには量産体制に入ることを目指している。完成後の月産量は面積換算で6,000平方メートルとなる計画。 スマートフォン向けパッケージ基板については現在、日本国内の河間事業場(大垣市)で生産を行っているが、スマートフォン関連部品の需要の急増に対して、同工場ではすでにフル生産体制にある。このため、新たにフィリピン工場で生産を開始することで供給体制を強化するとともに、海外で生産することで歴史的な円高への対応やコスト削減も図るとしている。フィリピン工場での生産によってスマートフォン向けICパッケージ基板の生産能力は現在比6割増となる予定。さらに、スマートフォンについては、今後とも需要拡大が続くと予測されることから、2013年3月ごろにフィリピン工場への追加投資を行う可能性も示唆した。 ICパッケージは、ICチップを外部のホコリや湿気から保護し、ICチップとプリント配線板の電気的な接続を行うための電子部品。イビデンにおける電子関連売上高の8割弱を占める中核製品となっている。 ■マレーシアでは基板回路工場 同社は、スマートフォン関連の電子部品の供給体制づくりを積極的に進めている。今年4月にはマレーシアの現地法人イビデン・エレクトロニクス・マレーシアがマザーボード(基板回路)の第1工場を稼働させたほか、現在は第1工場に隣接する第2工場の建設工事を進めている。 所在地は、ペナン半島の工業団地「ペナン・サイエンス・パーク」内。同工場では、基板に組み込む配線を細くしたり、多層化して配線を交差するなどの独自技術を用いて、小型のスマートフォンとタブレットPC向けのマザーボードを生産している。第1工場の生産能力は月間最大4万平方メートル。 一方、第2工場の建設に当たっては300億円を投資。建屋面積は第1工場と同規模の3万7,500平方メートルとなる計画で、来年10月以降の完成を予定している。第2工場の完成によって、第1工場と合わせて、世界最大級のスマートフォン向けマザーボードの生産拠点となる。
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