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 [東京 2日 ロイター] タイの記録的な洪水で、日系企業の現地生産への被害が拡大している。日系企業が多数進出するアユタヤ県をはじめ各地の工業団地が冠水、自動車業界ではホンダ<7267.T>が現地の四輪車工場で生産再開の見通しが立っていないほか、調達部品の供給制約でタイに進出している日系メーカーの多くが操業停止を決めた。 電機業界や電子部品業界などでも工場操業中止が相次いでいる。 タイ洪水の影響は日本や周辺諸国での生産にも影響を与え始めた。トヨタ自動車は<7203.T>は24日から始めた国内工場の生産調整を11月5日まで継続する。ホンダも11月7日から国内の四輪車工場の生産調整を行う。各社が行っている中間決算発表の席上、収益への具体的な影響についての言及も出ている。 ◎2日午後7時現在 ・日産自動車<7201.T>:洪水の影響による部品調達の供給停止で10月17日から生産を休止しているタイ工場について、志賀俊之最高執行責任者(COO)は「11月14日から部分的に生産再開の準備を進めている」と述べた。生産停止期間のタイ工場の減産台数は約4万台と試算。日本についても2万台程度の生産に影響するリスクがあるという。志賀COOは「米国、欧州、中国の生産には影響することはない」との見通しを語った。 タイでは日産自が取引するサプライヤー120社が浸水被害を受けており、今後、さらに120社が浸水被害を受ける可能性があるという。タイから世界に供給している部品については、ほかの地域から代替で供給するなど生産への影響を最小限に食い止めるべく検討している。 ・ソニー<6758.T>:通期の営業利益を250億円押し下げるが「これは現時点の想定で、これから大きな影響が出るかもしれない」(加藤優最高財務責任者) ・クボタ<6326.T>:タイ2工場のうち、トラクター、コンバインを製造するアマタナコン事業所(チョンブリ県)は、一部サプライヤーが浸水被害を受けたため、操業を10月17日に停止していたが、部品調達網の復旧にめどが立ちつつあるため、14日をめどに再開する方向で調整。一方、新興国向けの発電機などに搭載するディーゼルエンジンを生産するナワナコン事業所(パトゥムタニ県)は、10月11日に操業を停止。同事業所は浸水被害を受けており、操業再開時期については「来年になるだろう」(益本康男会長兼社長)。 ・東レ<3402.T>:タイ・トーレ・シンセティクス(TTS)社のアユタヤ工場は6日に操業停止。避難命令を受けて、工場には近づけない状況。バンコク工場も、工場近隣地域の浸水により26日に稼働を停止。工場は浸水しておらず、28日には浸水に備えた生産設備の保全作業を終了した。ナコンパトムにあるタイ・トーレ・テキスタイル・ミルズ(TTTM)社とTTS社の工場も11月1日までに稼働を停止し、設備保全措置を終了した。TTS社から日本市場向けの原糸輸入量はこれまで少なかったこともあり、国内市場向け供給への影響はほとんどない。国内4工場で可能な限り増産を進める一方、インドネシア、韓国、中国の海外関係会社とも連携し、製品の安定供給体制を維持する方針。 ・日本電産<6594.OS>:グループでタイ国内に持つ10工場のうち、操業を停止しているのは7工場。ハードディスクドライブ(HDD)用モーターでは、タイ日本電産のバンガディ工場(パトンタニ県)が10月12日に稼働を停止。工場内に一部浸水している。ロジャナ工場(アユタヤ県)も工場内浸水により同10日に操業を停止。モーター部品工場は3工場が稼働停止中。 日本電産の世界全体のHDD用モーターの生産量のうち、タイ拠点が占める割合は非公表。今後、中国、フィリピンの工場で代替生産を進めるが、永守重信社長は同25日の会見で、7─9月期で約1億4000台だったHDD用モーターの世界出荷台数は、10─12月期には1億台程度が限度になるとの見通しを示した。 バンガディ工業団地で家電用モータを生産する日本電産シバウラエレクトロニクス・タイランドや、ナワナコン工業団地(パトンタニ県)でカメラ用シャッタなどを生産する日本電産コパル・タイランドも工場内浸水で操業を停止している。 HDD用モーターの生産拠点で同13日から操業を停止していたタイ日本電産のランシット工場(パトンタニ県)は、同25日に一部稼働を再開した。 ◎1日午後7時現在  ・帝人<3401.T>:タイの5工場のうち、洪水で3工場が浸水し、操業を停止している。工場への立ち入りができないため被害は精査できていない。園部芳久CFOによると、2012年3月期末までは操業停止が続くとの前提で、営業利益ベースで10億円のマイナス要因を通期予想に織り込んだ。生産停止中の製品については、国内工場での代替生産や外部調達などで「ほとんどが代替可能」。被災工場の復旧費用については「かなりの部分は保険でカバーできる」とみており、現時点では特別損失は織り込んでいない。 ◎31日午後8時現在  ・ホンダ<7267.T>:アユタヤ県ロジャナ工業団地にある四輪車工場は、調達部品の供給停止で10月4日から生産活動を停止。10月8日以降は浸水により生産を停止しており、再開のメドは立っていない。タイからの部品供給の制約を受け、マレーシアでの四輪車生産を25日から停止したほか、日本の鈴鹿製作所、埼玉製作所の四輪車工場についても11月7日から生産調整に入る。一方、タイの二輪車工場も10月11日から操業を休止しており、当面11月4日まで休止を継続する。 ・TDK<6762.T>:TDKタイランドのロジャナ工場(金属磁石、記録メディア、センサの加工・製造)、マグネコンプ・プレシジョン・テクノロジー社のロジャナ工場(HDD用サスペンション製造)、TDKタイランドのワンノイ工場(金属磁石応用製品)、マグネコンプのワンノイ工場(HDD用サスペンション製造)の4工場が稼働を停止している。同社は31日、タイの洪水による影響に加え、円高による事業環境の悪化と電子機器向けの需要低迷などで国内外のグループ従業員1万1000人を削減すると発表した。国内外で生産拠点の統廃合なども視野に入れる方針。 ・東芝<6502.T>:ハードディスク工場など10拠点が操業停止中。このうち9拠点が浸水被害を受けている。11月から12月にかけて発売する予定だった冷蔵庫やエアコンの一部製品について発売を延期。部品供給先が被災しているため部品調達が困難になったことや製造工場が操業を停止していることが背景。売上高はある程度下がるものの、損益への影響は最小限にとどまる見通し。ハードディスクについてはフィリピン工場などに生産を移管する。ハードディスク不足に伴うパソコン生産への影響も年内は問題ないとしている。 ・住友金属工業<5405.T>:タイに4社の連結子会社があるが、ロジャナ工業団地で電磁鋼板の加工販売を行うタイスミロックスが10月10日から操業を停止している。電子部品用の電磁鋼板を加工販売しており、加工能力は年間7万2000トン。再開の見通しはたっていない。業績への影響については「見積もるのは難しい。ある想定に基づき(通期予想に)織り込んでいる」(本部文雄副社長)としたが、詳細は公表しなかった。 ・神戸製鋼所<5406.T>:タイの洪水の影響で顧客の生産に支障が出ているため、月次のタイ向け輸出鋼材2万トンのうち「8000トン程度の薄板について当初計画比で減産している」(藤原寛明副社長)。 また、タイにあるグループ会社7社のうち、銅の板を切断する1社が冠水し、操業を停止中。外注先に振り向けたり、国内工場での代替生産を検討している。残り6社は被害を受けていないが、溶接材料を製造する2社は、顧客の引き取りが止まっているため、操業を停止している。7社の合計月間売上高は平均55億円。洪水による収益への影響は不透明なため、通期予想には織り込んでいないが、「損益的に大きなものにはならないと思っている」(同副社長)。  ◎28日午後8時現在  ・三菱自動車工業<7211.T>:10月中旬以降、約1カ月半のライン休止を視野に入れており、1カ月半、生産を停止すれば3万5000台の減産になる見込み。自社工場への直接的な被害はないものの、取引先からの部品供給が停止し、13日夜から生産を停止している。同社はタイ洪水による生産停止が営業利益に与える影響を140億─150億円と試算し、下期の業績見通しに織り込んだ。 ・ダイハツ工業<7262.T>:トヨタ自動車<7203.T>からの受託車を生産している池田工場、京都工場で10月31日から11月5日まで稼働レベルを調整する。国内の軽自動車の生産については11月までめどが立っているほか、インドネシアとマレーシアの工場についても部品不足の影響はなく、11月は現在の稼働が続けられる見通し。 ・マツダ<7261.T>:28日までとしていた四輪車工場の生産停止を11月4日まで延長した。 ・日野自動車<7205.T>:タイ日野販売の本社、部品研修センターと一部の市バス整備センターで浸水被害。タイでの仕入先と物流系統に被害が発生している。タイ日野製造の日野ブランド車生産ラインは、一部の部品欠品で14日から28日まで停止中。国内の大中型トラック工場では影響は出ていないが、今後、部品調達状況で生産影響が考えられるとしている。トヨタ自動車<7203.T>向け生産は、一部の部品欠品とトヨタの工場停止に合わせ、生産ラインを10日から停止している。国内の羽村工場でのSUV社生産も部品の一部欠品で24日から稼働時間を調整している。 ・住生活グループ<5938.T>:パトムタニ県にあるアルミ建材生産の子会社社トステム・タイが冠水状態にあり操業を停止している。タイの生産品目は2─3か月分以上の備蓄があり、日本国内工場でもバックアップ設備があるため出荷への影響はないとしている。 ・江崎グリコ<2206.T>:パトゥムタニ県のバンカディ工場は敷地と建屋への浸水で操業を停止。販売への影響が出始めた10月中旬から、タイ・グリコの決算期である12月末まで製品出荷がほとんど出来ないと想定している。この影響は、28日発表の2012年3月期通期連結業績予想に織り込んでいるが、建物と生産設備などの被害額は現時点で把握できていない。 ・明電舎<6508.T>:配電盤の製造・販売をするメイデンエレクトリックタイランドのある工業団地への浸水の危険性が高いと見て、13日から操業を停止。15日に浸水が始まった。工業団地へ向かう幹線道路も冠水している。 ◎27日午後8時現在 ・トヨタ自動車<7203.T>:11月5日まで生産委託先の車体メーカーを含む国内すべての車両組立工場で生産調整を実施する。同社はタイ洪水の影響で部品調達に影響が及ぶ可能性があるとし、24─28日まで残業を取り止めて定時稼働にするとしていた。29日以降も各工場で生産調整を継続する。24─29日までの減産台数は計7000台。 10月10日から生産を全面的に停止しているタイ3工場は11月5日まで生産停止を延長。インドネシア、フィリピン、ベトナムの各工場についても11月5日まで生産調整を行う。北米では10月29日と10月31日から11月5日、南アフリカの生産拠点は10月31日から11月5日まで、それぞれ稼動時間を調整する。


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