タイの洪水で、同国にハードディスク駆動装置(HDD)生産拠点を設けている米シーゲイト・テクノロジーなどが中国への生産移管をさらに進める可能性も示唆しているもようだ。HDD業界にとって、タイは中国に次ぐ一大生産拠点。水害がタイの生産拠点としての新たなリスクを認識させる形となっている。 19日付第一財経日報が伝えた。シーゲイト・テクノロジーは、タイや中国などに生産拠点を構えている。既に中国での生産が最大だが、今回のタイの洪水を受けて、タイでの生産を中国へ移管することや調達網の再構築を進めるなどの調整に入っているという。 一方、米ウエスタンデジタル(WD)はタイで同社全体の60%を生産するが、洪水での部品サプライチェーン寸断や工場施設の水没被害を受けて既に生産を停止した。同社は昨年第3四半期に初めて、シーゲイト・テクノロジーを抜いてHDD生産で世界トップとなったものの、タイに生産を偏重させていたため、シーゲイト・テクノロジーと差を付けられる可能性が出てきた。 パソコン(PC)大手の聯想(レノボ)集団は、自社PC製品に搭載するHDDのほとんどが外部へ委託生産して調達しているため、直接的な影響はまだないとしている。また在庫もあり、現在までのところ生産計画などの変更はないようだ。 HDDの供給不足を受け、中国市場でも各社のHDD製品価格がここ数日で上昇し始めている。IT企業が集積する北京市中関村では、シーゲイト・テクノロジー、ウエスタンデジタル、日立のHDD製品単価がそれぞれ10元~50元(約120~600円)値上がりしてる。深センの市場でも値上がり傾向を強めているようだ。 また、洪水前からのHDD市場の需要低迷を受け、サプライヤーの在庫は従来の20~25日から10~15日に減った経緯もあり、洪水によるタイの生産停止で、在庫調整をめぐる争奪戦が強まるともみられている。 ■日系も中国で代替生産 日系企業も中国で代替生産をする動きが出ている。放電加工機大手のソディック(神奈川県横浜市)は19日、タイの現地法人の洪水被害を受け、浙江省蘇州市、福建省厦門(アモイ)市の同社拠点で代替生産を行うと発表した。日本の福井工場(福井県坂井市)、加賀工場(石川県加賀市)でも代替生産する。パトゥムタニ県ナワナコン工業団地の現地法人建物などが浸水被害を受けた。操業再開は未定という。 ホンダ系の自動車部品大手、ケーヒンも19日、タイ法人の工場建物が浸水被害を受け、自動車用部品を広東省東莞市、江蘇省南京市などにある中国現地法人や日本国内工場で代替生産するとしている。


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