世界経済の変調が台湾の貿易統計にも見え始めた。9月の輸出総額は前年に比べて増えているものの、伸び率が鈍化し、世界金融危機以降では3番目の低水準となった。前月比でみても2カ月連続のマイナス。資本設備の輸入も1年半ぶりの低さまで落ちており、域内の投資停滞や稼働率低下が統計数値に表れてきた格好だ。 財政部によると、輸出額は246億1,000万米ドル(約1兆8,900億円)で、前年同月比9.9%増だったが、前月比では4.6%減少した。前月比での減少は2カ月連続。政府は第3四半期の輸出が806億3,000万米ドルと予測していたが、実際には785億3,000万米ドルにとどまった。 通年目標は前年比15%増の3,164億米ドルとしているが、達成するためには今四半期の輸出額が838億米ドルを上回らねばならない。今四半期は例年、輸出のハイシーズンだが、当初目標の816億7,000万米ドルへさらに上積みするのは、世界経済の先行き不透明感が強まるなかでは困難な情勢だ。国際通貨基金(IMF)は9月、今年の世界経済成長率見通しを4.3%から4%へと下方修正しており、台湾の輸出目標値も下方修正を余儀なくされそうだ。 輸出はパソコン(PC)やスマートフォンなどのIT・通信製品が伸びをけん引してきた。9月は前年同月比伸び率が21%と品目別で最高。1~9月累計でも前年同期比58.4%増と突出した好調ぶりだ。ただ、世界各市場が全般に不振に転じている。 国・地域別に前年同月比でみると、日本だけが減少し2カ月連続のマイナス成長。中国・香港向けは過去3番目の高水準を記録した。しかし、前月比でみれば、東南アジア主要6カ国がわずかに1億米ドルほど伸びたが、他の主要国・地域は軒並み減少。液晶パネルや化学品、機械、鉄鋼製品などがいずれも予想を下回っている。台湾プラスチックグループ(台プラ)の第6ナフサ分解プラント(雲林県麦寮郷)内の工場で操業が一時停止され、石化製品の輸出が見合わされていたことも響いた。 ■設備輸入、30億ドル割れ 一方の輸入額も228億4,000万米ドルで、前年同月より10.8%増えているが、前月比ではこちらも2カ月連続の落ち込み。特に資本設備の輸入が29億2,000万米ドルと昨年3月以降初めて30億米ドルを割り込んだ。1~9月累計では313億6,000万米ドルと過去最高を記録しているが、メーカーの投資が足元では停滞しており、過去4カ月連続で減っている。
この記事の著作権は、下記の引用元に帰属します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111012-00000010-nna-int