猫の爪をとがないと体を掻くと傷つけたりしてしまいます
猫にとって、爪とぎというものは欠かせない生物的な行動なのですが、家で飼う場合、これは大きな問題ともなってきます。猫が爪とぎを行うのには主な四つの理由が挙げられます。
まず第一点として、爪を鋭くしておけば獲物を捕える際に有利だということです。第二点としては、爪をとがないままでいると、それが自分の足の裏に食い込んだり、つい体を掻いて、それを傷つけたりしてしまうからです。
さらに、第三番目として、爪をとぎ、その肉球から特有の匂いを発生させ、その場にそれを付着させるという意味合いがあります。これがいわゆるマーキング行動です。
また、そうした場合に、猫はなるべく高い位置で爪をとぎ、その跡を残そうとするのですが、それはその領域に大きな猫がいるということを示すためのデモンストレーションなのです。
そして、最後の第四番目の理由としては、猫にとっての爪とぎによるストレス解消というものを挙げることができます。何らかの不安や動揺を感じたとき、爪とぎをすることで猫は心を落ち着かせることができるのです。
とはいえ、猫の爪とぎと言っても、実際には刃物をとぐように爪をといでいるわけではなく、古い爪の一部分を剥がすことで、爪が鋭くなるのです。
また、猫の爪とぎとはその前足だけであって、後ろ足は歯で剥がしたりしています。それから、猫同士の連絡に爪とぎが使われたりもします。いずれにしても、猫にとって爪とぎという行為は必要不可欠なものなのです。
確かに、そんな猫による爪とぎによって、家じゅうがボロボロにされかねません。たとえば家具にしろ、柱にしろ、襖にしろ、障子にしろ、さらには家じゅうの家具が至る所、傷つけられてしまったりもします。
そうはいっても、爪とぎは猫にとっては最も基本的ともいえる習性のひとつです。ですから、それをさせないようにすることなどとても無理な相談でしょう。
そして、家の中で猫に爪とぎをしないよう禁じることはひどいストレスを与えるだけになってしまいます。ですから、猫の爪とぎをいかにうまく家の中でさせていくかということが大切なことになってきます。
そしてそのためには、きちんとした爪とぎに対しての躾をするということが大事なことになってきます。たとえば猫が普段、爪をとぐもの決めておくこと、さらにまた、その場所をひとつのところに定めておくということが肝心です。
そして、猫の躾については、根気よく繰り返していくということが必要です。たとえば、爪とぎをさせたい場所で、猫の手を取って、その真似をさせてみたり、褒めたり、叱ったりしながら、そうしたことを覚えさせていくのです。