ここ1~2年で中古ケータイ市場が急拡大した。「契約期間や契約解除料を気にせず、欲しいと思った時に新しい端末に乗り換えられる」という購入目的だけでなく、「手持ちの不要な端末を処分したい」という売却目的で利用するユーザーが増えている。中古ショップならその場ですぐに現金化できることもあり、買い取り依頼の件数も日増しに増えているという。
【詳細画像または表】
買い取りの際に気になるのが「キズや汚れがあると、どれぐらい査定が下がるのか」「古い端末でも買い取ってくれるのか」といった点だろう。買い取りに際して覚えておきたい点や、査定額を上げるための意外なテクニックを中古ショップに聞いた。
パソコンやデジカメと比べ、キズは厳しく査定される
中古ケータイの取り扱いに力を入れるじゃんぱら秋葉原3号店の遠藤 智氏は、「液晶画面とボディーに付いたキズを特に細かくチェックする」と語る。ノートパソコンやデジカメなど他のジャンルの商品と比べ、携帯電話は特にキズを厳しく査定するという。常に手にして使うアイテムゆえに、購入客がキズを細かく気にする傾向が強いためだ。
液晶パネルやトップカバーなどの目立ちやすい場所のキズに対しては、最大30%のマイナス査定を付ける。本体底面や側面の細かなキズなど、ふだん気になりにくい場所ならば、それほど厳しくマイナスにはしないとのことだ。
遠藤氏は「査定額を落とさないためには、購入時に液晶保護フィルムを装着しておくのがお薦め」と語った。どんなにボディーの状態がよくても、液晶画面にキズがあれば大幅な査定ダウンにつながってしまうためだ。
取材時に買い取り査定中だったNTTドコモの「L-01A」を例に解説してくれた。買い取りの基準金額は1万4000円(4月2日時点)だが、これは新品の状態を基準とした上限価格であり、商品の状態によって減額される。査定中の商品は、液晶画面に細かな線状のキズが生じていたため、10%マイナスになるという。本体の右上には何かをぶつけたような小さなキズもあり、こちらも10%マイナスと判断された。合わせて20%のマイナスとなり、買い取り金額は1万1200円となった。
キズには厳しいものの、意外にも付属品の欠品によるマイナス査定は少ない。説明書が欠品でも500~1000円前後のマイナスにしかならないという。極端な話、箱や説明書などの付属品が一切なくても、キズによるマイナスと比べれば査定への影響は少ないという。肝心なのは「端末の状態がいかに良好か?」ということに尽きる。
外装を新品に交換してから買い取り査定に臨むテクニックも
マイナス査定を防ぐ奥の手として「買い取りに出す前に、キャリアが提供する外装交換サービスを利用するのがお薦め」とこっそり教えてくれた。
NTTドコモの場合、3990円でフロントカバーとリアカバー(バッテリーカバーのみオプションで、別途420円が必要)を新品に交換できる。ケータイ自体は問題なく動作するものの、落下などで本体がボロボロになっている場合は、事前にこのサービスを利用しておくのがよい。NTTドコモの場合、代金の支払いにドコモポイントが利用できるので、直接の出費なしで済むのがメリットだ。
だが、もともと買い取り上限金額が低い端末では、このテクニックを利用するメリットは薄い。買い取り上限金額が4000~5000円程度の機種ならば、もし20%の減額査定になったとしても、マイナスになるのは1000円以下で済む。ある程度の買い取り金額が期待できる人気機種限定のワザといえよう。
シャープ製端末やスマートフォンは高額買い取りが期待できる
中古ケータイに力を入れるイオシスの石山祐輔氏は、「キズや汚れ以前に、人気機種であるかどうかがもっとも重要」と力説する。人気が高くて回転率のよい売れ筋機種は、ショップとしてもノドから手が出るほど欲しい。そのような機種は高値安定の傾向が強くなる。
なかでも人気なのがシャープ製の携帯電話だ。キャリアを問わず「AQUOSケータイが欲しい」という指名買いがとても多いという。
AQUOSケータイは、液晶テレビの技術を生かした美しい表示の液晶パネル、パネル面だけが90度回転してワンセグ放送が見やすくなるサイクロイド機構、コンパクトデジカメ並みに優れた描写力を持つカメラ機能など、他社製品と比べて特徴が多い。「シャープ製端末=ハイエンド」との認識が広まっており、特に機能重視のユーザーの人気が高い。買い取り価格は、NTTドコモの「SH-01B」が上限2万4000円、auの「SH006」は上限2万円と、他メーカーの製品と比べても高めで推移している。
スマートフォンも高値で安定している。特に、先日発売されたNTTドコモの「Xperia」の注目度が高まっている。早くもポツポツと入荷しているが、店に並べたその日のうちに完売するほどの人気ぶりだ。買い取り査定中、様子を横で見ていたお客さんに「それ売るの?」と聞かれて、店に並べる間もなく買い手がついた例もあるという。少し前までの爆発的なiPhoneブームをほうふつとさせる注目度だという。ショップとしても「欲しいケータイ」の筆頭格といい、買い取り上限金額も3万5000円と高値を付けている。
定番のiPhoneについては、知名度がきわめて高いことから引き合いは強く、買い取り上限金額も3万円台後半と高い。特に外国人が積極的に購入していくといい、しばらくは買い取り金額の高値安定が続く見込みだ。
最新モデルでも不人気機種は査定が低くなる
反対に、売れ筋ではない不人気機種や、在庫がダブつき気味の機種などは、たとえ新しめの機種であっても買い取り金額が低くなる。
NTTドコモのシャープ製端末「SH-08A」は、太陽電池によるソーラー充電ができることが話題を呼んだ。だが、発電の効率が悪くなかなか充電できないことや、人気モデルと比べて本体の厚みと重さがある点が不評で、多くのユーザーがこぞって買い取りに出すことに。中古品の売れ行きも芳しくないために在庫がだぶつき、買い取り価格が急落した。
販売店による在庫品の大量放出も、買い取り相場を下げる要因になる。イオシスでは、NTTドコモの「N-06A」や「SH-08A」、auの「S002」などの旧モデルが集中的に入荷したため、買い取り価格を急きょ引き下げた。下げ幅の大きい機種は、1万円以上も下がったという。
運悪くそのような不人気機種を持っている場合、予想外の低い買い取り価格になる可能性がある。一部の中古ショップは、Webサイトで買い取り価格を公開しているので、事前に調べておくとよい。販売店によって買い取り価格は異なるので、あるショップで安かったとしても、あきらめずに別のショップに当たってみることも重要だ。
手持ちのケータイを2つのショップで査定してみると…
筆者がふだん使っているケータイを中古ショップに持ち込み、いくらの査定が出るかを調べてみた。今回調査の対象としたのは、NTTドコモの「P-01A」。すでに型落ちとなった2008年モデルだが、いまだ人気が高いモデルとして知られる。
まず、じゃんぱら 秋葉原3号店に持ち込んだ。カバーの隅にぶつけたようなキズがあり、10%の減額を受けた。それ以外にも細かなキズがあったが、それらを考慮したうえでカバー全体でマイナス10%という評価になった。液晶画面は、端の部分に細かい線キズが見つかり、10%マイナスの査定に。合計20%の減額となった。「人気機種で状態もそこそこ良好だが、キズがあるのが残念」(遠藤氏)とのことだ。
▼じゃんぱら 秋葉原3号店
・上限買い取り金額:9500円→査定結果:7600円
続いて、イオシス あきば中央通店で査定を申し込んだ。カバーと液晶画面のキズに加え、本体底面の小さなキズにも厳しくチェックが入った。だが、液晶部分に保護フィルムを貼り付けていたのが好印象だった様子で、大きな減額は上記の3点のみになった。「全体のコンディションを見て、総合的に査定した」(石山氏)という。
▼イオシス あきば中央通店
・上限買い取り金額:1万2000円→査定結果:9000円
多少古くても、ダメモトで買い取り査定に出してみるのがお薦め
中古ケータイ買い取りの際の要点をまとめてみた。
・液晶パネルの状態は重要。どんな細かなキズでも減額対象になってしまう・説明書などの付属品が欠品していても、減額は思ったよりも少ない・買い取り金額が高い人気機種は、外装交換サービスを利用するのもお薦め・AQUOSケータイやiPhoneなど、知名度のあるモデルは高額査定が付きやすい
中古ショップでの買い取り金額は、キズをはじめとする状態のよしあしだけでなく、端末自体の人気の高さも重要視される。人気機種を大事に使っているならば、予想外に高い査定が得られることもある。使い込んで状態がボロボロだとしても、外装交換などのテクニックで査定ダウンを防ぐことも可能だ。
多少古い機種でも、NTTドコモの905iシリーズなどは7000円程度で買い取ってくれることもある。古いからといってあっさり廃棄処分するのではなく、まず中古ショップの買い取り価格を調べてみるのがお薦めだ。
(文/白石ひろあき)