先日のブラジル航空機の墜落事故にしての続きです。
まず、旅客機などの航空機はスピンに入れてはいけませんしストール(失速)もダメです。(機体強度のカテゴリーが輸送機)
現在の航空機では、機体設計のモデルケースが完成しているので、機体の大小の違いはあれど、ほとんどが同じ形状をしていますが、ATR-72-500の形状は、モデルケースとはちょっと違って主翼は小さく主翼も後ろ気味に付いています。この形状は、ひょっとしてフラットスピンに入りやすい形状なのかもしれません。戦闘機も特殊な形状をした主翼が多いのでフラットスピンに入りやすいようです。
とりあえず、セスナ機の場合の回復方法です。(プロペラが機内から見て右回転する単発機の場合)
基本的にセスナ機は、失速すると勝手に機首が下がるように設計されています。
パイパー機などは、操縦桿を前に押さないと機首が下がらないものがあります。
セスナの場合、(まずフラットスピンには入らないと思いますが)、万が一、フラットスピンに入った場合は、フラット(水平)の状態で落ちていく中で、少しでも左に傾いていく傾向が見られるなら、エンジンを全開にします。そうすることにより全開で右回転するプロペラの反作用で機体が左に回転する力が生じ、機体は更に左に傾きフラット(水平)な状態から抜け出せる可能性があります。機体が傾けば尾翼に気流がスムースに流れ、動翼が反応する可能性があります。
また、フラットの状態で落下していく時に少しでも右に傾きそうな傾向が見られるときは、右回転するプロペラの反作用の力が邪魔をして右に傾く傾向を打ち消してしまうので、エンジンをアイドリングまたは停止させ、右回転するプロペラの反作用の力をなくして機体が右に傾いていく傾向を助長します。これによりフラットな状態から回避できる可能性があります。
エンジンを停止させた場合は、高度に余裕があればエンジンの再始動を試みます。
アクロバット機ではワザとフラットスピンに入れたりするパイロットがいますが、必ず回復できるとは限らないのでパラシュートは必須です。