前回の妊婦健診から数日後、

病院から着信があった。

赤ちゃんに何かあったのだろうか..と恐る恐る病院へ電話をかけ直した。



担当医に繋いでもらい、私は尋ねた。

『赤ちゃんに何か見つかったのですか?』と。

ドクターは、

『何かあったら健診の時に隠さず話しますよ。

 電話をしたのは妊婦健診の予約変更できないかお聞きしたくて』との事だった。


ドクターは続けて、

『ゴールデンウィーク明け、すぐに妊婦健診にこれますか?心臓と脳のエコーを赤ちゃんがあまり大きくなる前にしっかり見たいから』と。

私は勿論承諾し、

数日後早めの妊婦健診に行った。


そして当日、

この日も時間をかけて心臓と脳のエコーをみた。

その他の臓器のエコーもじっくりみた。


・胃はある

・肛門もある

・羊水の量も普通

・その他の臓器も問題なし

・顔は手でガードされていてこの日も見えない

・脳の小脳の後ろスペース以外のサイズも問題なし


しかし、心臓を見ながらドクターは言った。


『心臓に穴が空いてるかもしれないな』


その瞬間、私は物凄い恐怖とまさか..という

自分の身に起こった事を信じられない気持ちに溢れた。

そして自然と涙が流れた。


ドクターは続けた

『ここの病院の機械ではこれ以上はっきりみることができない。すごくよく見てるんだけど、ここまでが、限界なんだ。そして、ここでは僕しかハイリスクの妊婦さんを見れない。大きな病院で沢山のドクターの意見を聞いた方がいいと思う。』と。

『紹介状を書くから、出来るだけ早めに受診して欲しい』と。


私は頭が真っ白になった。

まさか、また転院することになるだなんて

夢にも思っていなかったし、

更なる、専門医療の大きな病院への転院なんて..

いったいどうなってしまうのか。。

怖くなった。不安になった。

ただ、ただ涙が流れた。


そして、この時初めて私の口から

【染色体異常の可能性もあるのですか?】

と、心のどこかでいつも気になっていたこのフレーズが放たれた。

ドクターは、

『心臓に疾患のある胎児のなかには染色体異常の赤ちゃんもいる事はたしか。でも今は可能性があるか、ないかはハッキリ答えることはできない。

もしかしたら転院先で染色体の検査を勧められることもあるかもしれない』と言われた。


目の前は真っ暗になった。


いくらドクターが何もなかったらまたこちらの病院に戻れるよ。ここで産めるよ。

なんて言われても、

【ソンナコトアリエルンデスカ】と、鼻で笑ってしまうくらい、

私のメンタルは落ちた。



新たな転院先の予約は翌日だった。


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