ポストに喪中のハガキが届くのを見る年末は、人が
亡くなったという知らせに接することの多い季節。
少し前の11月、火野正平さんが亡くなったという
ニュースはショックでした。
東日本大震災の直後に始まったNHKの番組
『にっぽん縦断 こころ旅』、好きでしばしば視聴して
いました。番組に寄せられたお手紙に書かれた思い出の
場所を火野さんが代わりに自転車で訪ねるという番組。
始まった当初、当時、通っていた柏のイタリアンのお店
の奥さんが「こういう人がやるから面白いのよ」と言って
いたのを覚えているのですが、その奥さんの予言通り、
大人気で14年に及ぶ番組になりました。紀行番組で
一時代を築いたと言ったら過言でしょうか。
下り坂になると、火野さんが「人生、下り坂最高」と
言いながら自転車で下って行く場面は有名になりました。
昔、ワイドショーを賑わせた火野さんならではの、少し
ブラックジョークのような言葉。
火野さんの含意はわかりませんが、「下り坂」には人生の晩年
という意味もあるのかなぁと思っていました。
もし、秋や冬を人生の晩年と重ねるならば、秋や冬に特有の
美しさ、楽しさがあるように、人生の晩年にも特有の良さが
あるだろうと思います。
晩秋、初冬、葉っぱを落とした木々の向こうに太陽が沈んで
いく瞬間、美しい光景が広がります。
(守谷の森林公園にて)

