朝6時前、まだ太陽は上っていません。

太陽が上がってくるのとは反対の西の空、有明の月が

沈みゆくところでした。

 

東(ひむがし)の 野らにけぶりの 立つ見えて

かへり見すれば 月かたぶきぬ

         柿本人麻呂(万葉集48)


 

岩波文庫の『万葉集』の訓に従いました。

学生の頃学んだのは「東の野にかぎろひ立つ見えて」

でした。『万葉集』の解説によれば、その訓は

賀茂真淵のものだそうです。しかし、「かぎろひ」と読む

用例は無いことから、岩波文庫の『万葉集』では、狩猟に

関係する「けぶり」と読むことにしたそうです。

 

この短歌は、私自身が中学生の時、国語の先生が自分の

好きな短歌として教えてくれたものです。私も、その時に

いい短歌だなぁと思い好きになりました。

 

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