ネットの普及に比例して、海外のネットショップで商品を購入することは簡単になっています。

ただ、最近は為替変動が激しいこともあって、輸入のメリットが少なくなっているように思います。

でも、金額の面を考えたら直接購入することが出来たほうが色々便利だと個人的には感じます。

そんな中で、輸入の際に気をつけたほうが良い事を5つに纏めてみることにします。

①購入の仕方+信用できる店かどうか
 

国内のネットショップ購入時にはどういう店かは気をつけると思います。一番の理由は価格だと思いますが、信用できる人間かも多少は気を遣うでしょう。でも、意外と海外で物を買う時に安心できる店かを忘れる人が多いように感じます。そもそもその店の言語が分からないとかそういう理由もあるかもしれませんし、とにかく商品があったから「えいや」でカード購入。でも待てど暮らせど連絡が来ないなんてことも少なからず起きています。

では、どこで見分けるか、というかまずどうやって検索するかから説明します。

まず、Google shoppingでリサーチをします。そうすると、該当の商品+販売店が沢山出てくると思います。日本で売られている店も出てくるでしょうからそこで買っても構いませんし、海外店であれば評価が確認できるので、高い評価の店を探したら良いと思います。逆にここで出てこないでGoogleでリサーチして出てくる店は信用性が不明なのであまりおススメしません。

②個人使用と税金の有無
 

Amazon.comとかで購入する場合は税金も前払いなので気にした人も少ないでしょう。でも、基本的に海外の商品に税金は付き物です。例外として課税価格が1万円以下の輸入物に関しては無税となりますが、わざわざ海外でブランド品を購入するのに1万円程度ってことはあまり無いと思います。なので商品価格+運賃(+保険)、いわゆるCIF価格というのですが、この金額×消費税8%ならびに商品によっては関税が掛かってくることを十分頭に入れて置いて下さい。ちなみに個人使用と認められたときには商品代金の60%に対して税額が決定するという軽減措置が存在します。

でも、「あれ?私、税金払ったこと無いな」と思われた方もおられると思います。それって結構グレーなんです。ちょっとここで輸入貨物の動きを簡単に説明します。

  海外ネットショップ⇒海外物流業者⇒(税関)⇒国内物流業者⇒購入者

ざっくり書くとこんな感じだと思います。まぁ、シンプルなんでご理解頂けると思います。で、税関でさっき述べた税額決定がなされるのですが、意外と多いのが、海外ネットショップ側がインボイス(請求書)にわざわざ商品価格を安く書く=アンダーバリューをしているってことが多々あります。あとはsampleって表示があったり等。

国際物流業者に勤めていた時にこういう事例を多々目にしたのですが、要するに輸入者側が税金を払わないで良いように脱税と同等の行為をしているわけです。勿論、本当にサンプルの時は契約が発生しないわけなので多少安い金額になっても大目に見られるわけですが、実際の契約より安い金額で税額が決まってしまうことは僕らには正偽が不明なわけなので、その時にはそのまま輸入許可が下りてしまいます。そういうわけで、きちんと正しい価格を書くショップ(それが当たり前なのですが)であれば税金が発生するのですが、アンダーバリューがなされた場合は不要になってしまっているわけです。

まとめると、基本的に税金は掛かってくるのでもし毎回買うショップで一度も税金を払ったことがないのでしたら先方に問い合わせをすることをお勧めします。

③輸入し難い物品、輸入できない物品
 

まず輸入し難い物品として挙げられるのが、食器等口に触れるものです。もしかしたらこれも「輸入したことあるけど・・・。」て方がおられると思います。これには理由があります。まず、食品衛生法という法律に則り商売に関連する食品その他付随品は全て輸入届出をを行わなくてはなりません。これも僕が担当していた顧客で対応したことがあるのですが、かなりの手間と時間が掛かります。何が目的化というと、日本に入ってはいけない成分がその物品の中に含まれていないかの検査なわけで、最悪の場合その場で滅却ということもありえます。(まぁ、輸入する前にMSDSを入手しておけば済む話ですが。)

で、さっき僕が「商売に関連する」と書いたと思いますが、要するに個人的に購入してレストランでその食器を出す場合にもこの法律が適応されます。勿論こんなことは結構普通にまかり通っているだろうと思いますが、もし万が一その皿から有害物質が出て顧客に被害が出てしまったならば、損害だけではなく罰せられるということを踏まえておいたほうが良いでしょう。ちなみに口に触れるものという解釈なので、赤ちゃん用のぬいぐるみも厳密に言えば該当してしまいます。

次に薬事法関連の物品です。例えば化粧品。大手の輸入化粧品会社を担当していた時は、毎回の輸入通関時に「製造販売業許可書」を添付しなくてはなりませんでした。まぁ、これも商売に関連しない方は関係ないのかもしれませんが、一度に10個とか大量に輸入する場合は税関に疑われる可能性が高いです。最終的に納得させられればいいですが、その為に税関に出向いたり等の労力を考えると結構煩わしいのかなと思います。それ以外にも薬事法絡みで輸入すらできない類もありますので、事前に調査されることをお勧めします。

ではその流れで輸入できない物品。まず何があるでしょう?偽物。はい、そうです。敢えて書くまでもありませんが、これが意外と怖いわけです。意図的と判断された場合、知的財産権侵害という罪に問われる場合もある為です。「誰だって偽物なんて仕入れたくないでしょ。」と思われるかもしれませんが、あくまで対税関。その説明責任が発生するわけです。

偽物の話はこの位にして、あと輸入できない物品でよく挙げられるのが「ワシントン条約」に抵触する物品です。絶滅の危険性のある動物種を守るために、日本だけではなく国際的に締結されている条約です。例えばトラ革とかワニ革のかばんも×です。条約違反で罰金は免れないでしょう。細かい動物種はワシントン条約に関するサイトに譲りますが、女性はブランドバッグを購入することが多いでしょうから、是非購入時に何革かをご確認されて下さい。

書いているとかなり長くなってしまいました。残りの2つは次回また書くことにします。ちなみに税関のシステムをちらっと教えておくと、彼らは全ての物品の書類をチェックしているわけではありません。多分そんなことをしていると今の100倍は人員がいるでしょう。どういうことかというと、まず多数の貨物は区分1と言って輸入通関に入れた瞬間に許可が下ります。つまり、内容は見られずにそのまま自動許可ってことです。で、次に多いのが書類審査という区分2。ここで先に述べた大よその問題はクリアになります。解決すれば許可が下ります。で、最後に区分3。これは税関検査という物品そのものをチェックします。意外と多いのがインボイスに書かれた内容と違うもしくは書かれていない物品が入っている事例です。こうなると、まぁ揉めますね笑 確か僕が担当していた顧客の場合はサンプル品ということだったので事なきを得ましたが、単に税金が上がるというだけではなく、その後税関に目をつけられると言うおまけが付いてきます。

あと最後に、基本的に個人で輸入される方は区分1はあり得ませんのであしからず。

ではまた次回をお楽しみに。

 



引用元:海外ネットショップから輸入する前に知っておきたい5つの事(そ・・・