女性大統領候補が、ポルノ男優とプレイボーイの男性モデルから大統領選前に以前の性的関係を公にされたくないなら13万ドル払えとゆすられて金を支払った、という例は聞いたことがない。有名な女性から、同意なく男性器をつかまれても平気という発言をしても、男性蔑視だとは思われない。

 

以前熊本県議が、新人女性議員の胸を同意なくつかみ、「女子にはこうしておいたらよか」と言って物議を醸したが、今ベテラン女性議員が新人男性議員の股間を同意なくつかみ、「男子にはこうしておいたらいい」と言ったら、女性の地位向上の兆しと思う人もいるかもしれない。

 

前回の記事『強弱』に書いて以来、毎日のようにトランプ裁判が主要メディアで面白おかしく報じられている。今日はポルノ女優の証言がイスラエル・ハマス戦争よりも注目された。

 

 

ストーミー・ダニエルズの証言がトランプ側に有利に働いたのは誰の目から見ても明らか。

 

 

トランプが裁判後に記者たちにこう言ったのは、彼女の証言を聞けば誰もがそれが嘘だとわかるので、検察側の「完全な失敗」は裁判劇場のプロットそのものだから。

 

APは最も辛辣で簡潔な報じ方をしている。前代未聞の裁判はアメリカのインテリジェンスがどのように真実を暴露するかの見本としての「最大の見せ物」。

 

BBC、CNN、APなどとは違うまとめ方でYahooの記事が光っているのを今日発見した。

 

 

トランプをゆするためにでっち上げた話を「ごくわずかの人にしか言わなかった」という彼女の矛盾だらけの発言は、「自分をコントロールできていないようだ」と判事に言わしめた。

 

早口で証言した「下劣な詳細」が矛盾だらけなのは、赤線を引いた部分でよくわかる。「私は服と靴を脱ぎ、ブラを外した。正常位だった」「できる限り速くその場を立ち去った」「性交渉を持ったことを恥じたのでごくわずかの人にしか言わなかった」が、数ヶ月後もトランプに連絡を取っていたのは「The Apprentice(テレビ番組)に出るチャンスをものにするため性的関係を保ちたかった」。自ら望んでトランプと性交渉をもったと言いながら、大統領選前にトランプをゆすり、大金を払ってもらえるとわかって有頂天になり、それでトランプの支持者から脅迫されずに済むと考えたと言ってのける奇妙な頭の悪さが露呈した。

 

 

演技で「審理無効」を主張するトランプ側に対し、判事は彼女の証言の一部は「言わずにおくべきだった」とした。彼女の証言自体が彼女の嘘を証明してしまったから。

 

トランプ側は反対尋問で矢継ぎ早の質問を連発し、ポルノ女優の愚劣さを炙り出した。

 

 

今回のダニエルズがでっち上げた名誉毀損のせいで生じたトランプ側の56万ドルの裁判費用を「何があっても払わなくていいと思う」し、トランプから金をぼったくろうとしたのではないという主張を誰が支持するのか。ダニエルズのツイート「トランプに金を払う前に刑務所に行く」は、何故トランプ側が彼女の要求通り13万ドルを払ったのか、今になってわかったという意味でしかない。

 

BBCはこう締め括った。陪審員は皆無表情だったらしい。判事はいつものように陪審員に言った。「心を広く保つことを忘れないでください」と。みじめなのはトランプではなくポルノ女優だけで、彼女はそれをこの裁判が終わるまで全世界に露出しなければならないから。

アメリカのインテリジェンスの異常心理戦略に満ちたこの裁判劇場の主要登場人物をYahooがわかりやすくまとめている。皆がハリウッド映画並みに演技している。

 

英米のインテリジェンス劇場は戦前から変わっていない。

 

最近Amazon Prime Videoで観たこの映画は原作のラストを意表を突くシーンに変えている。

 

邦題「ねじれた家」は誤訳。ねじれたならTwistedであり、Crookedは歪んだと素直に訳すべき。トランプがCrooked Hillary, Crooked Joe Bidenと呼ぶ時、不正な、邪悪なという意味合いがあるように、アガサ・クリスティーがタイトルに込めた意味を尊重しなかった日本人翻訳者の思考は歪んでいる。それを考えると、ソニー・ピクチャーズの予告編にクリスティーのmost twisted taleという説明を表示させたのも余計な意図を感じる。その意味で、原作のラストと真犯人を知っているクリスティーのファンは、この映画こそmost twisted movieと言いたくなるだろう。監督がより現代的な効果を狙いたかったにしても。

 

 

クリスティーがこの作品を1949年に発表した時、「私のお気に入りの作品の一つ」と前書きに書いているように、最後にみじめな殺人鬼がわかる時に、poor childという台詞で締めくくって、二つの意味を込めて余計な説明をしなかった異常心理戦略の見事さは、良識ある読者を長い感動の余韻に浸らせ、でっち上げややらせで人に罪をなすりつけることを唯一の喜びとする河童を悔しがらせてきた。

 

ストーミー・ダニエルズは、クリスティーが描く真犯人が誤魔化すための作為をすればするほどかえって逆効果になるのと同じことをしている。アメリカのインテリジェンスが守っているのはトランプ個人ではなく、健康な人間の尊厳である。

 

長い戦後を終わらせることができる力を持つこの人物と美しく誇り高いこの国にも希望を持ちたい。

 

https://x.com/RT_com/status/1788041140752515473

 

 

 

プーチン大統領は就任式の日に核軍備強化を宣言した。モスクワ銃撃テロ犯河童退治のために。

 

 

河童の電磁スペクトル・スペクタクル