たまに無性に食べたくなる・・・というか味わいたくなる店が目黒にある。目黒とんき・・・とんかつの老舗だ。
父親と外食した記憶はほとんどないが、ここは数か所だけ記憶に残っている店のひとつだ。ビールといえばキリンのラガーしか飲まなかった父親が、ここのビールをピーナツをあてに飲みながらとんかつを待ち、そのビールをコップにワンフィンガーちょっとだけ冒険気分で飲ませてもらうのが、当時小学生低学年だった自分にとってなぜか とても興奮するイベントだった。。。
それからいったいどれくらい経つんだろう。 今でもとんきはそのままの面影で綿々と時を継いでいる。
調理場はコの字型カウンターに囲まれている。(このコの字型という形・・・心理的な安らぎを与えるらしい・・・)カウンターもカウンターの中の仕事場もきれいな白木が見事に手入れされている。このカウンター内で10人ほどが驚くほどシステマティックに役割分担されて働いている。 年齢はお弟子さんっぽい若い人や福々しい妙齢の女性から80/90になんなんとするおじいちゃんおばぁちゃんまでバラエティに富んでおり、顔立ちがなんとなしに似ている。想像するにご家族あるいはご親戚なのではないだろうか? かつに衣をつけるおじさんはリズミカルに・・あくまでリズミカルに衣をつけ、その後ろの大きなあげ鍋に次々にとんかつを放り込んでいく。ここには鍋が4つ並んでいてここには揚げ番の方がいらっしゃる。手は真っ赤だ。
揚がるとそれは傍らの別のおじいちゃんに。脇にきれいに並べられ、キャベツが盛られた皿に
さくさくっと包丁を入れたうえできれいに盛られていく。このおじいちゃんの手も真っ赤だ!
古き良き勤勉な日本人の仕事といった趣で、いつまでもお元気で働いていただきたいおじいちゃんだ。
さてこれが揚がるといよいよカウンターに登場! とその前に絶妙のタイミングで、また別の気のいいやさしそうな風情のおにいちゃん(つったってけっこう歳?)がごはん・トン汁・漬物の3点セットを持ってどこからともなく配膳してくれて、それを追って真打登場。今日はロースかつ定食だ。 ここのメニューはとにかくシンプル。ロースかつ・ヒレカツ・串カツの定食とあとはそれぞれの単品。that`s it. とにかくシンプルだ。
こちらのとんかつの特徴は・・・・衣がきわめて薄く堅めの仕上がり。中のお肉は蒸し焼きな感じで柔らかい。 いわゆる‘昔ながらの‘とんかつ。でも油っぽくはなく、からっとした仕上がり。。。 今日も キャベツを5回おかわり。ごはんも2杯いただいて豚汁のふたにソースを開けて、それにとんかつをつけていただくいつものパターンでいただいた。。。
ここは‘渡る世間は鬼ばかり‘を彷彿とさせる10人の方々が織りなすカウンター内のオープンキッチンのいつまでも変わらぬ‘伝統の‘仕事と雰囲気、そしていつまでも変わらぬスタンダードかつプレーンな趣のとんかつを味わうお店。 味? もちろんうまい。 衣が堅い。はがれて一体感がない。・・・・いろいろ言う人もいる。 しかしこの地で1939年、昭和14年!から実に74年営業されているという事実がすべてを物語っているだろう。 繁盛してなきゃ、うまいとおもわなきゃ、また来ようと思う人がいなきゃこれ程の長きにわたって営業しちゃいないだろうし、関東一円に両手にあまるほどののれん分けをしちゃいないはずだ。
自分にとってはノスタルジーさえ感じる味であり、なんだか自分の幼少期や今はいない父親の記憶も甦るソウルプレイスがとんきだ。 思えば‘味‘の記憶っていうのはこういうものなんじゃないだろうか。。。 誰でも認めるえらい美味なものもある。しかしその人その人がそれを味わうと思わず黙り込んでしまったり涙してしまう・・・ノスタルジーを感じる一皿・一杯があるのではないだろうか? 今の子供達にとってのそれが、将来ファストフードだけでないことを祈っている・・・・


父親と外食した記憶はほとんどないが、ここは数か所だけ記憶に残っている店のひとつだ。ビールといえばキリンのラガーしか飲まなかった父親が、ここのビールをピーナツをあてに飲みながらとんかつを待ち、そのビールをコップにワンフィンガーちょっとだけ冒険気分で飲ませてもらうのが、当時小学生低学年だった自分にとってなぜか とても興奮するイベントだった。。。
それからいったいどれくらい経つんだろう。 今でもとんきはそのままの面影で綿々と時を継いでいる。
調理場はコの字型カウンターに囲まれている。(このコの字型という形・・・心理的な安らぎを与えるらしい・・・)カウンターもカウンターの中の仕事場もきれいな白木が見事に手入れされている。このカウンター内で10人ほどが驚くほどシステマティックに役割分担されて働いている。 年齢はお弟子さんっぽい若い人や福々しい妙齢の女性から80/90になんなんとするおじいちゃんおばぁちゃんまでバラエティに富んでおり、顔立ちがなんとなしに似ている。想像するにご家族あるいはご親戚なのではないだろうか? かつに衣をつけるおじさんはリズミカルに・・あくまでリズミカルに衣をつけ、その後ろの大きなあげ鍋に次々にとんかつを放り込んでいく。ここには鍋が4つ並んでいてここには揚げ番の方がいらっしゃる。手は真っ赤だ。
揚がるとそれは傍らの別のおじいちゃんに。脇にきれいに並べられ、キャベツが盛られた皿に
さくさくっと包丁を入れたうえできれいに盛られていく。このおじいちゃんの手も真っ赤だ!
古き良き勤勉な日本人の仕事といった趣で、いつまでもお元気で働いていただきたいおじいちゃんだ。
さてこれが揚がるといよいよカウンターに登場! とその前に絶妙のタイミングで、また別の気のいいやさしそうな風情のおにいちゃん(つったってけっこう歳?)がごはん・トン汁・漬物の3点セットを持ってどこからともなく配膳してくれて、それを追って真打登場。今日はロースかつ定食だ。 ここのメニューはとにかくシンプル。ロースかつ・ヒレカツ・串カツの定食とあとはそれぞれの単品。that`s it. とにかくシンプルだ。
こちらのとんかつの特徴は・・・・衣がきわめて薄く堅めの仕上がり。中のお肉は蒸し焼きな感じで柔らかい。 いわゆる‘昔ながらの‘とんかつ。でも油っぽくはなく、からっとした仕上がり。。。 今日も キャベツを5回おかわり。ごはんも2杯いただいて豚汁のふたにソースを開けて、それにとんかつをつけていただくいつものパターンでいただいた。。。
ここは‘渡る世間は鬼ばかり‘を彷彿とさせる10人の方々が織りなすカウンター内のオープンキッチンのいつまでも変わらぬ‘伝統の‘仕事と雰囲気、そしていつまでも変わらぬスタンダードかつプレーンな趣のとんかつを味わうお店。 味? もちろんうまい。 衣が堅い。はがれて一体感がない。・・・・いろいろ言う人もいる。 しかしこの地で1939年、昭和14年!から実に74年営業されているという事実がすべてを物語っているだろう。 繁盛してなきゃ、うまいとおもわなきゃ、また来ようと思う人がいなきゃこれ程の長きにわたって営業しちゃいないだろうし、関東一円に両手にあまるほどののれん分けをしちゃいないはずだ。
自分にとってはノスタルジーさえ感じる味であり、なんだか自分の幼少期や今はいない父親の記憶も甦るソウルプレイスがとんきだ。 思えば‘味‘の記憶っていうのはこういうものなんじゃないだろうか。。。 誰でも認めるえらい美味なものもある。しかしその人その人がそれを味わうと思わず黙り込んでしまったり涙してしまう・・・ノスタルジーを感じる一皿・一杯があるのではないだろうか? 今の子供達にとってのそれが、将来ファストフードだけでないことを祈っている・・・・

