いろいろな鮨屋があるが、今日紹介するのは恵比寿のきらりと光る鮨屋、鮨 伊佐野。
今回はSingaporeの友人が‘オレは日本のうまい鮨が食いたい‘とNiseko帰りに東京に
寄ってくれたので(北海道の海の幸はサイコーなんだけどなぁ)、‘よしオレがおまえに
Real Sushi 食わしたるわ‘とここに連れて行った。
 恵比寿ガーデンプレイスを右手に、加計塚小学校の信号を超えて2分ほど歩くと、ちょっと変わった木戸が左手に現れる。 人が通るにしちゃずいぶん低いなぁ。。。。そう、これは茶室をイメージしたこの店の入り口。この木戸をくぐるとすぐに小上がりがあり、大きなガラス戸の向こうに寿司カウンターが、そしてさらに向こう側に坪庭が広がる。 これは何ともいえない遠近感だ。 カウンターに座る。 ‘あ、どうも・・・ありがとうございます。・・・いらっしゃいませ・・‘ ご主人の佐野さんがいつものとても控えめな感じで歓迎してくれる。
 今日はゲストとともにしゅわしゅわから始める。いつも通り美しく整えられた寿司カウンターにその向こう側のまな板を含めた料理台。それにしてもいつみても坪庭が美しい。
伺うと春仕様に枝垂桜を入れたばかりとのこと。それに南天などが映えてとてもきれいな坪庭だ。友人がデジカメで撮りながら‘oh what a cool garden`・・・ たりめぇだろ、ここは日本だぞ日本。美しい国なんだよここは・・・と言いたい気持ちを抑え、yeah, I love it.`などと相槌を打っていると、すっと出される中トロの握り。。。。 どちらかというと脂は控えめでその代りマグロのかすかな酸味を載せながら見事な香りが鼻を通り抜ける。。。このうまさわかるかなぁ?。。。 ・・・ しばし無言だった友人は。。。awsomeと一言。  ここで佐野さんから控えめな一言。‘ 鹿児島指宿のマグロでございます。。。。‘  そう。寡黙なんだけどお客さんの気持ちをくみ取るのがとてもうまい。タイミングが絶妙だ。お客をリラックスさせる微笑みを常に絶やさない佐野さんの腕は確かだ。とてもshyな感じなのだが、店内には凛とした空気が張っている。 東京に鮨屋は星の数ほどあるが、ご主人の人柄がよく表れているよい雰囲気のお店だ。

 続いてお造りに・・白身(ヒラメ)から始まって初カツオ(年々早くなってくるなぁ)、今が旬のホタルイカ・金目こぶ締め(泣いた・・・英語ではred snapper rolled by kelp・・・汗かきながら説明)貝もの、そしてだしを張った春小鯛の小椀。このだしがいつも本当にやさしい。どんな素材と合わせてもこっくりきて、腹に染みていく感じだ。 とここで、美しい仲居さん(こちらの仲居さんは何人かいるが、どなたも和服できれいだ)がそろそろお酒はいかがですか?と聞いてくる。う~んとうなっているとこれまた絶妙な感じでカウンターの向こうから何本かの逸品が・・・佐野さんは私が来ると聞きつけるといつも何本がとびっきりの日本酒を用意して手ぐすね引いて?待ってくれている。
 今日の逸品は 焼津の磯自慢・栃木の大那・山口の獺祭…いずれ劣らず兵ばかり・・とそこで最後の一本に目が留まった。鮮やかな桜色の阿桜の文字。 横手のお酒だとのこと。
今日はこれにする。 ・・・ 決まるといつのお楽しみ。小僧さんがたくさんのきれいなおちょこが入ったケースを恭しく差し出して、お好きなのをお選びください。 ガイジンさんはこういう趣向が大好き。 わーきゃーいいながら選んでいく。私はシンプルだけど容量がでかいやつを・・・ そして阿桜・・・上品で素晴らしい香りのあとにどっしりした腰の味わいが追いかけてくる素晴らしい足腰の酒だ。 こっれは下手な味の力のない肴では負けてしまう。そう、魚の味と高めあう酒だ。
 鰆の焼き物でしばし阿桜を友人と酌み交わした後、いよいよ握りへ。

 握りの最初を飾るのはスミイカ。目の前に置かれる握りを見ていつも思う。 本当に美しい。 鮨なんだから手で食べればいいんだけど、なぜかいつもここのいかだけはお箸で食べてしまう。きれいなんだよなぁ。 味はちょっとの極上の塩にスダチをほんのちょっと。
香りが引き立ち、いかの甘さがくっきりと浮かび上がる。でもこの握りでホントにうまいのは・・・個人的にはシャリだ。固めでふわっとしたシャリのコメの香りがイカを従えて際立つ。 本当に申し訳ないんだけど、いつもうまいシャリですね~と言ってしまっている。
 その後は貝もの・光り物・厚岸からのぶどうえび(らっきぃ)ときて、金目アゲイン!
日本人でよかった。。。。とここでサバが登場・・・なんだけど・・・ん?これは?大根が乗っている。 ぶりの鮨に大根を合わせるのは見るけど、鯖にうすぅくスライスした大根とは・・・と・・これはマリネしてあるんだ。なるほど!この大根が鯖とよくマッチして・・・これはうまい。  ここの鮨はこういう感じで、すごい凝った仕掛けがたまにしてあってあれをもう一回食べたい・・となるのが多い。 今日はこれだなぁ。。。そういや去年の秋食べた戻りガツオといぶりガッコを合わせたのもクセになったなぁ・・・

 ここで友人がやっぱりあの中トロもう一回どうしても食いたいリクエストによりこれもアゲイン! 大食いガイジンはまだまだ止まらない。そのあとうにいくらの小どんぶりをやっつけた後、やさしぃ味のアナゴとお椀でようやく満腹になったのだった。

 それにしてもよく飲んだ。 阿桜はあっという間になくなり、獺祭もなくなってしまった。 やっぱりガイジンの持ってるアルコール分解酵素はすごい。

 これだけ飲んだのでお値段は少々張ってしまったが、これだけのレベルでこれなら気持ち良い。 これを銀座・赤坂でやったらえらいことになってるだろう。 良心的でコスパもよい、何よりご主人の人柄がにじみ出てくる鮨 伊佐野。

 佐野さん、寒いのにお店の前での記念撮影に付き合ってくださってありがとうございました。 しだれ桜がほころぶ頃に また行きます。