2024年の中学受験における大きな変更点といえば

①開智所沢の開校

②横浜雙葉の2回入試導入

③昭和秀英の2月入試の日程変更(2/2→2/3)

あたりかと思います。

 

中でも、神奈川女子の間では②が、首都圏東部~千葉の受験生では③が、ホットトピックとなっていたかと思います。

 

受験が終わった今、③について、データを見てみたいと思います。

 

 

  そもそも千葉の2月入試とは

 

千葉入試といえば、1月20日解禁・3連戦(1/20市川(+PM秀英)→1/21東邦大東邦→1/22渋幕or昭和秀英)が有名ですが、2月にも2回目入試を実施しています。

※学校によって、2回目とか2次とか後期とか呼び方はいろいろですが、ここでは以降、「千葉2月入試」で統一します。

 

1月に入試を実施したうえで、さらに2月に行う入試という特性上

  • 千葉2月入試は、1月入試で合格をしていない人(=1月入試の不合格者、または1月入試を受験していない人)が受験する
  • 千葉2月入試は、東京・神奈川も受験できるという日程上の理由と、募集人数が少なめで、かつ、年度により合格者数のばらつきが大きく、ボーダーが読みにくいという特殊性にもかかわらず受験するということで、各校の志望順位の高い人が受験しにくる(もっと志望順位の高い東京校があればそちらを受験するし、ボーダーが読みにくいので同じ程度の志望順位なら東京を受験することが多い。本気でその学校に行きたいと思っていないと、なかなか受けにくいのが2月千葉です)

という特徴があります。

 

※なお、各校の受験日、募集人数と、実際の合格者数は、だいたい以下の通りです。

・渋幕:2/2:募集45名:合格46~68名くらい

・昭和秀英:2/3(2023年まで2/2):募集20名:合格20~30名くらい(まれに60名)

・東邦大東邦:2/3:募集20名:合格20~47名くらい

・市川:2/4:募集40名:合格50~86名くらい

 

 

  志願者・受験者・合格者のデータ

2021~2024の各校の2月入試のデータは以下の通りです。

 

これを受験者だけにしぼって推移を見てみましょう。

 

 

  受験者の推移

 

まず受験者だけ4校を比較してみます。

 

2月2日の受験者の推移。

ここ数年の中では渋幕が微増ですが…

2020年は、渋幕1次が受験人数を大きく絞った「渋幕ショック」の年なんですよね。おそらく、その関係で1次不合格者が多いために2月のリベンジ者が多くなっている年です。

そこから見ると…2024年は、2020年、2022年についで1月合格者が少ないので、2月のリベンジが多めだったのかもしれませんが…2022年より受験者が増えているところからみて、例年だと昭和秀英を受けていた人がワンチャンで2月渋幕を受けたのかもしれませんね…でも、合格来ラインを考えると乖離があるので、昭和秀英→渋幕組は増えても数名〜10数名とかそんなところで、それ以外の増加は単に渋幕熱望で2日は東京より渋幕という受験生が例年より少し多かった、という感じではないかと個人的には邪推していますが。

…だって、正直、渋幕2月って、すごーく受けにくいです。少なくとも、1月の市川東邦秀英か、2月1日に行きたい学校をおさえていないと、とてもじゃないけど怖くて受けられないです。でも、2月秀英を受けるということは、1月市川東邦秀英を取れていないことがほとんどなわけです(一部立地的な問題で東邦は取れたけど…というのはあるかもだけど)。だとすると、2月秀英を受けようかな、という受験生は正直2月渋幕は特攻になってしまうので、普通はもっと安全な学校を受けるわけで…「お、2月渋幕と2月秀英が両方うけられからうけようっっと」というのは正直すごく考えにくく、いても数人、多くても10人とかだと思うんですよね…

 

2月3日の受験者の推移。

東邦と秀英から一定人数、少なくとも数十人はもう一方に流出しているっぽい数字です。…2023年までなら、秀英→東邦→市川、のような受験をしていた人のうち一定数が、東邦と秀英のいずれかを受験の時点で選択せざるを得なくなっていそうですね。

ただ、個人的には、「思ったほどは食い合わなかったかな」という感じが…それぞれに熱烈なファンがいるいい学校なので、今まで2日秀英→3日東京とか、2日東京→3日東邦だった受験生も結構いて、そうした方々が今年は3日に2校に集まっていそうです。

ただ、それでも…東邦は受験生が一部流出しているのは確かなので、東邦が一番煽りを喰っているっぽいですね。

秀英も例年より人数が減っているので、東邦に一部流出しているのは確かですが、それをわかって受験日を動かした側なので、ここは計算通りというか覚悟していた通りなのではないでしょうか。…「幕張地区への進学希望者の選択肢を増やす」というよくわからない秀英の狙いが実現できているかは謎ですが…。

 

参考までに2月4日(市川)の受験者の推移も載せておきます。

うん、変わりないですねー。

例年ある程度増減ありますからね。

 

  結局受験日移動ってなんだったの?

と、データを見てきましたが。

わかることは、

●東邦と秀英がお互い受験生を食い合った

●渋幕は、あまり影響を受けていない(少しだけ、去年までなら秀英を受けていた人が受けたかも)

という感じでしょうか。

 

そうなると、「幕張地区の進学希望者の選択肢を増やす」という秀英の説明通りには、ほとんどなっておらず…

というか、この狙い通りになることがほぼないであろうことは、多分学校側もわかっている気がするんです。

 

となると、秀英は何を狙っていたのか?

正直、秀英、すごくいい学校なのに、校長人事やカリキュラムなど少々迷走しているところもあるので(学校関係者の方、申し訳ないです)、この日程変更も迷走したかな?という感じがします…。

…とてもあたたかで面倒見がよく教師と生徒の距離も近い学校なので、その良さを全面に出せばいいのになぁ…

 

可能性があるとしたら、2月秀英の合格者が2月東邦に合格して流出していたのを食い止めたかった、とかという狙いなのかもですが…でも、2月秀英の手続き率、昨年までも結構高かったって聞きますし、2月秀英のような高倍率で読めない受験をするなら、3日はこれまた読めない東邦ではなくてもう少し募集が多くて読める東京をおさえにいく方も多かったと思いますし(正直、2月千葉の、募集が少なく高倍率でかつ合格者人数もぶれぶれというギャンブルのような受験に、正直2〜3日も費やすのは危なすぎ)。

…と、そうこう考えると、「迷走」としか思えないんですよね。

誰得にもなっていなそうですし。

 

…また数年したら受験日、変わったりして…なーんてことはないか…

 

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