親が最近元気がない、やる気がない、何に対しても興味ない、身なりもだらしなくなってきた、

食事もあまり食べない、すぐに横になっている、話しかけても返答が少ない

こんなボーッとしている 親の様子を見て、どうしたんだろう、

と心配になっている家族さんは多いのではないでしょうか?

 

これはアパシーという状態で、認知症の一つの症状です。

鬱とは違って、本人は苦しんでおらず自覚もありません。

 

そんなときには是非、音楽を使ってコミュニケーションしてみてください。

 

 

アパシーの人はおとなしくて特に周りに迷惑をかけるわけでもないので

家でも施設でも見過ごされて悪化していくことがあります。

アパシーの状態になると反応が鈍いので

本人が何を考えていて何を望んでいて

何が好きで何が嫌いなのかが分かりづらくなります。

介護している家族さんや施設の職員は忙しいので

本人に聞いても反応がないと、すぐにその場から去ってしまいます。

でも本人は何も感じていないわけではありません!

ただ反応がかなり鈍くなっているだけなので

ゆっくり待ってあげられれば

身体の動きで答えが出てくるかもしれないし

そのうちに言葉が出てくるかもしれません。

 

そんなとき

言葉のやりとりは時間がかかりますが

非言語のコミュニケーションツールである音楽は即効性があります。

 

施設に勤めていた時

アパシー状態の利用者さんに音楽をかけてみたことがありました。

私は数年その施設で働いていたので

各利用者さんの心にヒットする曲を知っていたのです。

その曲を流すと、

急に涙を流したり

驚いたように目を見開いたり

顔がパーッと一瞬で輝いたり・・

 

そこにははっきりした感情の吐露

意思表示がありました。

 

少し慣れてくると

曲に合わせて手拍子を打ったり

一緒に歌を歌ったりする時もありました。

 

同じ曲を繰り返し流すと

日々の変化がわかる時もありました。

 

アパシー状態の利用者さんの脳の中で

萎縮した前頭葉が少し動いたのかもしれません。

ただの偶然かもしれません。

 

どちらにしても

五感、特に聴覚に訴えることは

ダイレクトに利用者さんの心に働きかけるということを

何度も経験しました。

 

五感

好きなものを食べて飲んでもらう

美しいものや懐かしいものを見せる

草花の匂いを嗅いでもらう

柔らかいむいぐるみなどを抱かせる

 

なども試みましたが

感覚がどんどん鈍くなっていく認知症の方に

音楽が一番有効だったように思います。

 

聴覚だけが最期の最期まで残る、

というのも納得と思いました。

 

 

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