前回まで夫親との憎き
肉じゃが事件の
エピソードを書いてきましたが
今回は別のエピソードになります
夫親との肉じゃが事件から
数年後、夫の病状がどんどん
悪化し、緩和ケア病棟に
入院することになりました
日に日に食欲がなくなり
黄疸も出てしまい
みるみる痩せていく夫
80キロ近くあった体重は
あっという間に50キロ台に
なってしまいました
病院食のニオイすら嫌がる夫
そんな中で、少しでも
何か食べて欲しいと、
いろいろ
試行錯誤していた私
そんな時に突然、夫が言いました
「久しぶりにちゅらの
味噌汁と
肉じゃがが食べたいなぁ・・」
と
至急、主治医に確認すると
許可が出たので、私は病院に
作って持って行きました
その日、私と息子はお弁当持参で
緩和ケア病棟で家族3人で
肉じゃがとお味噌汁を囲み、
夫と晩ごはんを一緒に食べる
ことにしました
お味噌汁は全く受け付け
ませんでしたが
夫はほんの少しですが
肉じゃがを食べてくれました
夕食が終わり、
私と息子は病院から帰宅する
途中の車内で
病院から着信がありました
夫、まさかの
吐血・・
病院に慌てて引き返すと
私と息子の目の前でさらに
吐血
主治医が駆け付け
夫は内視鏡検査をすることに
なりました
主治医からの説明では
夫の吐血の原因は肉じゃがを
食べたこととは一切
関係がなく、胃潰瘍による吐血
だと言われたのですが・・
後日、夫母からは
「病院のものだけ食べさせて
たらええのに
余計なことしたもんやな」
と小言を言われました
そして
この吐血から約1か月後に
夫は旅立ちました
この時の肉じゃがが
私が夫のために作った最後の
手料理となりました
あれから数年、
あまりにも良い思い出がなく
肉じゃがを作ることから
私は逃げてきました
今回、息子からのリクエストで
何年かぶりに肉じゃがを
作りました
いろいろありましたが
息子が
「これこれ、この味」
と言って頬張る姿は
亡き夫が元気だった頃に
肉じゃがを食べた時の
反応とあまりにも
似ていて、少し泣きそうに
なってしまいました
夫が息子に言わせてくれた
のかな〜
私自身も肉じゃがを作ってみて
少し前に進めた気がします
夫親には一生手料理は
作らないと
決めた気持ちは変わりません
けどね
いつも読んでいただき
ありがとうございます😊