
『三つの命にありがとう』
著者
若林登志子
長男・長女・次女を特発性拡張型心筋症という病気で亡くされたお母様が書かれた本です。
病気がわかったときから、1分1秒でも長く傍にいようと、毎日小児病棟から出勤するお父さん。
他の兄弟が寂しくないよう忙しいなか幼稚園の送迎をしたり、寂しい気持ちを必死にこらえて最終的には親戚のお家に送るつらい決断をしたお母さん。
あの子のためなら…とご両親は家財や自宅を処分して次女はアメリカで心臓移植を受けました。
重症肺炎を乗り越えましたが、抗生物剤の副作用で聴力を失っていました。
耳は聞こえないままでしたがリハビリも頑張り元気に帰国しお友達と会ったり、聞こえないならば素敵なものをみてもらいとご両親の考えもあり家族で海外旅行に行ったり。
けれど突然別れは来てしまいます…
特発性拡張型心筋症について少しだけ調べてみたところ、薬物治療も進化し現在は10年生存率もかなりあがってきているとのことでした。
また発症要因はウィルスが考えられること、家族内発症も5%あることを知りました。
心臓移植を受ける80%以上の患者さんはこの病気だそうです。
ただこれらは現在のことで、当時は違ったでしょう。
実際、若林さんのお子さんは初診の時点で『2年は越えられないでしょう…』と医師に言われていました。
本当に『生きててくれればそれでいい…』というご両親の気持ちが痛かったです。
悲しくてつらくて、しんどくて、寂しくて…それでも周りの人達にいつでも感謝の気持ちを忘れない親思い、子思いのこの御家族は素晴らしいと思いました。
だからきっと必要な時にお友達や親戚が手を差しのべてくれるのだろうと思います。
私がこの本を初めて読んだ時は大学受験が終わってすぐの頃でした。
全てから解放され毎日脱け殻みたいなわたしをみて、母がこの子、バカになる
と心配したのか買ってきてくれました。学生だった頃と、病院で働いてる今で思うことに変化はあったのかな…。
私は病院ではどうしても患者さんのことばかり考えてしまいますが、患者さんの痛みは御家族の痛みだと思うので、しっかり御家族にも気を配れるようになりたいと思うのです。
御家族だって家に帰って眠れぬ夜がたくさんあると思います。
私たちの一言で傷つけてしまうことがあったり、逆にほっとしたり。
全ての患者さんに大切な御家族がいて、全ての患者さんは誰かの大切な人。私たちは大切な大切な命をお預かりしている。
このことを忘れず、また頑張ろうと思います。
初心を思い出させてくれたこの本と筆者に感謝します。
3人のお子さんが天国で穏やかに過ごされていますように…
そしてこの長い文字だけの記事を読んでくださった方、ありがとうございました。
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