恋のドキドキ


一般的には恋をするとドキドキするといわれています。意中の相手を前にすると脈拍や心拍数があがり、いつもよりテンションが高い状態になります。

 

しかし、実際は逆のパターンもあります。

ドキドキする状況にいることで、そのドキドキを相手の好意や恋愛感情だと思い込み恋におちてしまうこともあるんです。

 

これに関しては心理学者ダットンらによる有名な実験があります。

 

「高さ3mの固定橋」

 

「高さ70cmのつり橋」

 

のどちらかを被験者男性にわたってもらい、橋の上でアンケートに答えてもらうというものです。

アンケートは女性が行い、このとき女性は男性に連絡先を渡します。

 

その結果、後日女性に連絡をしたのは圧倒的につり橋を渡った男性でした。

実験を行ったダットンは

 

「不安定なつり橋を渡るドキドキを恋愛感情によるドキドキと勘違いしてしまっている」

 

と推論しました。

これはつり橋効果として知られています。

 

このように物事の原因を誤って判断してしまうことを心理学では錯誤帰属といいます。

 

※錯誤帰属

ある行動や現象の原因を推論するときに、本当の原因ではない別の事柄が、その原因であると誤って判断してしまうことを錯誤帰属といいます。

 



 

この吊り橋効果実験の結果からよくいわれるのが、遊園地は恋におちやすいという話です。

ジェットコースターやお化け屋敷などスリルや恐怖を味わえるアトラクションが多く、生理的にドキドキしやすいこともあり、まだ親密ではない2人がデートする場所としてはおススメです。

 

しかし錯誤帰属でうまくいったカップルが長続きするかどうかはまた別問題です。

恋におちた理由が一時的な興奮状態によるものであるため、その興奮が冷めたら恋も冷めてたといったことにもなりかねません。

 

つまり吊り橋やジェットコースターなどによって落ちた恋はいわゆる勘違いであるため、自然と恋心が消えてしまう可能性もあります。

 

ドキドキ感はあくまでも恋のキッカケと考えましょう。