先日、双子の女の子を保護しました。

彼女たちの名はサラとソフィ。

母羊は病気の悪化により

これ以上育児を続けると死に至ると

判断した結果引き離すことにしたのです。

 

サラとソフィは生後1カ月近くになっていました。

それまでは人間の手を一切借りず

母羊のおっぱいを飲み、

母羊が草を食べるのをまねして

少しずつ青草を食べていた月齢になります。

ペットではなく家畜として育ってきた彼女たちは

広いパドックでは

毎日見回りをしている「多分安全な人間」である

私ですら捕まえることはできません。

 

母親がまだ生きているのに

引き離してしまった結果、

双子と母親は離れたパドックで呼び合います。

それは一晩中続いていました。

寝つきの良い私ですら鳴き声で何度も起きるほど。

 

今までの本当の親との縁を完全に断ち切り

新しい親の元へ行くのは

いわば、特別養子縁組のようなものですね。

過去に特別養子縁組をテーマにした

ドラマなどがありましたが、

最初は「家族になれるかな」とか

慣れたころに暴れたり反抗がやってきたりと

普通養子縁組以上のむずかしさがあったのを

思い出してしまいました。

(アンとチャールズは普通養子縁組と考えていいかな)

羊ですら苦労するのに、人間の養子縁組って

想像を絶するくらい大変なんだろうなあと

しみじみ考えてしまう。

 

我が家の場合、、、

 

パドックで暮らしていた家畜の子羊が

哺乳瓶の飼育に切り替わる。

 

それがどれほど難しいことか。

 

先にペットラムになっていたアンやチャールズは

新生児から育てていたので

私やピーターを完全に親だと思ってついてきますが

サラとソフィはそうはいきません。

 

哺乳瓶の吸い口も

「これ、おかあさんのおっぱいと感触が違う!」と

嫌がってゴム口から吸おうとしないのです。

違う種類の吸い口を購入してみたり

ミルクを皿に直接入れてみたりしましたが

それほど効果はなく。。。

この年齢はまだ離乳するには早すぎるので

どうしてもミルクを飲ませなければなりません。

 

ミルクを飲む量が少ないので

ミューズリーも与えています。

この量も難しいところです。

固形の食べ物を消化できるくらいの成長なのか

液体(ミルク)が主になるのかなどを

見極めながら試行錯誤ですが

勝手に哺乳瓶に吸いつくわけではありませんから

押さえつけて飲ませなければなりません。

これは子羊に取ってもストレスでしょうが

栄養補給を第一優先に考えると仕方がない。

 

なついてくれるまで1週間から2週間かかるだろうと

予想していたのですが、

ラッキーなことにうちにはすでに

アンとチャールズがいました。

その授乳の仕方をサラとソフィは

目で見て観察できるというわけです。

 

初日は全く寄り付かなかったふたり。

二日目は近くに寄ってくるようになりました。

三日目は少し無理やり抱っこもして

膝の上でゆっくりなでる時間を持てました。

私はそれ以外にもヤードに椅子を持って行き

そこで座ってランチを食べたり

できるだけ長い時間ヤードですごすようにしたの。

 

二人はまだ心を許してくれませんが

捕まえられてしまった時は

観念して抱っこされるようになっています。

ここまでいくのに本当は1週間かかると思っていたんだけど

意外と早くてびっくりよ。

 

とはいえ、途中から親権交代ってのは

難しいもんですねえ。。。

過去のペットラムは生後2~3日以内には

レスキューしていたのでなつくのが簡単だったと

改めて感じます。

ペットラムって

親の事情(育児放棄や親の死など)の場合と

子供の事情(体が弱かったり小さすぎたり)など

あるけれどとにかく途中からの育児は苦労するわ。

 

昔、生後1カ月の仔馬を面倒見たときも

ミルク飲ませるのが大変でした。

のどが渇くと水を飲んでしまうから

水場にふたをして液体をミルクのみにしたりして

色んな工夫をしたんだよ。

 

そんな親の苦労もしらず

子羊たちは元気です。

image

サラ(赤の首輪)

ソフィ(緑の首輪)

チャールズ(青の首輪)

アン(ピンクのリボン、首輪はオーダー中)

 

image

サラとソフィは顔がそっくりです。

これは大きくなったら見分けがつかなくなるな・・・

サラのほうが警戒心が強く

ソフィはサラに比べると少しだけ好奇心が強いのですが

あゆおばちゃんはあきらめませんよ、

この特別養子縁組!

親になると決めたのだからとことんやりますわ。

 

毎日のルーティーンは

妊婦パドックの点検

馬の仕事 午前の部

ペットラムのフィーディング

妊婦、家族、肉パドックの点検及びフィーディング

馬の仕事 午後の部

ペットラムのフィーディング

妊婦パドックの点検

です。

時間が足りない。。。休憩時間ない。。。

畑もそろそろ本腰入れないと

春の種植え・苗植えの時期なのになあ。。。

 

追伸。

母羊は二日目に声の届かないパドックに

移動させました。

互いに泣き叫ぶ問題は解決されました。

 

 

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ
にほんブログ村