東洋経済で恒例の不動産特集が組まれておりました。

 

週刊東洋経済とは

ビジネスリーダー必携の総合経済誌 1895(明治28)に創刊されてから日本経済の見えない部分を徹底的に報道し続けてきた週刊東洋経済。溢れる情報を鋭く分析し、重要なニュースを読者に届けます。日本経済を動かしているのは何なのか?敏腕ライターが為替情報からエンターテイメントまで市場を読み解く。不安定な日本のビジネスシーンの最先端で働く方にお勧めします。週刊東洋経済で周りよりも一歩先を行くための視点を手に入れてください!学生~社会人まで、今の社会がよくわかる!!(/~\Fujisan.co.jp より)

 

2014年頃から世界的な金融緩和の影響やオリンピック開催に端を発した建築費高騰も有り、価格上昇を続けていた不動産業界ですが、投資用不動産関連企業での相次ぐ不祥事や新築マンションのバブル期並みの価格水準、中国政府の規制強化によるインバウンド需要の低下や米中貿易摩擦による景気の先行き不安等、ここ最近では良い話は全く聞かなくなり、不動産特集といえばネガティブな内容が相場となってきました。

 

今号でも御多分に洩れず『不動産バブル崩壊前夜』と銘打って先行き懸念の特集でしたので記録として残しておきますよ。

 

特集は大きく三部構成で

①投資用不動産市場の異変

②新築マンション市場の今後

③老朽化マンション等の負動産問題

 

となっておりますが、記事内で明らかにヤバイと訴えかけているのは1棟もののアパート投資用不動産関連のみの印象で、全体的にはややパンチ力に欠ける特集だったと思います。

というか正直どこが崩壊前夜なんだ?と言った記事が多く、肩透かしもいいところでしたよ。(除く投資用不動産)

 

その投資用不動産業界ですが、2018年以降に起きた出来事として主だったものだけでもこんなに沢山あります。

 

シェアハウス『かぼちゃの馬車』を展開するスマートデイズが民事再生

アパート建設会社「TATERU」で融資書類の改ざんが発覚

スルガ銀行で融資資料の改ざん

西武信金に立ち入り検査『ミニ・スルガ銀行』と業界内で有名

賃貸アパート大手レオパレス21の施工不良問題

 

いずれの事件も信じがたい内容ばかりでコンプライアンスもコーポレートガバナンスもあったもんじゃ無い、デタラメがまかり通っていた業界だったことが分かります。投資家を代表した某氏のコメントではこれからの投資に向けて『物件を購入するときは単純な表面利回りに惑わされてはいけない』とか『頭金なしで全額融資を受けるフルローンはよくない』など、分かりきった事が提言されていました。

この程度の助言が改めてされると言うことは、つまり多くのにわか投資家が不動産業者の(相続税対策とか、不労所得とか言った)甘言に惑わされて、身の丈に合わない億単位の借り入れをしてしまっていたと言う事なのでしょう。

 

記事では上記の事件をきっかけに金融機関の融資が厳格化した結果として、

→投資家が100%融資が組めなくる

→物件が売りづらくなり在庫として残る

→業者の資金繰りが立ち行かなくなる

→破綻する企業やサブリース価格を見直す業者が増える

 

などの可能性を問題提起していました。まあ、これはその通りでサブリースの更新期限が来ると言われている10年後(2025年前後くらいから)には、『家賃の大幅な減額やサブリース契約の解除で自己破産する投資家』や、『訴訟に追われる業者』が続出する可能性は極めて高いと考えます。

よほどの好立地ならまだしも人口減少で不動産が余っている中、築10年以上の木造アパートに好んで住む人が増えるとは思えないので、少し考えれば分かりそうなものですが、そんな考えを跳ね返す販売業者の方々のトークを聞いてみたい気もしますね。

 

こんな感じだとしたら恐ろしい限りですが。。

 

 

人口減で都心回帰が続く現状から未来を想定するに投資用不動産の対象としては、都心駅近マンションのみにしておいた方が無難だと言えるでしょう。

※ただし、現在は新築も中古も価格が高いのでリスクあり

※利回りが高いor価格が安いからといって安易に築古リノベ物件を選択するのも危険と記事では書かれておりました。

 

という事でまとめを書こうにも記事の方向性がやや弱かった為、とりとめのない内容になってしまいましたが、逆に言うとこの傾向(やや曖昧な問題提起)は現状を表している印象も受けました。

何故なら上述の通り、既契約者達の状況が大きく変わるとするとまだ数年先になるのでそれまでは、投資用不動産関連企業の業績は緩やかに、だが確実に下降していき、時折どこかの企業で不祥事が起きたみたいな感じで時が流れていくのでしょう。

バブルの崩壊はすると分かっていても、それがいつかを予測するのは非常に難しいものですね。

 

 

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