ボクはバンドマンだった。
今から7年前、当時のボクは新しい仕事を始めたばかりで毎日が慌ただしかった。
残業ばかりでスタジオ練習にもほとんど出れず、メンバーに迷惑をかけていた。

吐く息も白く濁る夜、ボクを含めたメンバー3人とサポートメンバー1人の4人で今後の話をした。
ボクはバンドを脱退する意向を伝えた。
メンバーは納得してくれた。
サポートメンバーは最後まで脱退を反対していたが他のメンバーに諭されて納得はしていなかったが、受け入れてくれた。

少しお酒を飲んだ。
昔話で笑った。
リーダーは時折、目を潤ませた。
最終的には涙を流してこう言った。
『オマエには色んな面倒なことを押し付けた。すまんかった。オマエがおらんかったらここまで面白いことできんかった。ありがとう。』
それを聞いてボクも目から汗が溢れそうになった。
が、涙を流すリーダーの顔面がクシャクシャで、その表情はまるでタマキンのようでボクは笑ってしまった。
みんなでタマキンリーダーを見て笑った夜だった。

2009年2月10日、バンドは解散した。

解散理由は“ボクの人生の分岐点”だった。
そこには、自分勝手なヤツと、それを許してくれた友達がいた。
12年間の活動だった。

ボクは翌日に大事な仕事がある為に帰宅したが、タマキンたちは『スナックへ行こうぜよ‼︎』と息巻いて夜の街へと消えやがった。
なぜに高知弁?と今でも疑問が残る。