ISM非製造業景況指数は2月の57.6から55.2へと低下、予想は57.0でした。こちらは材料視されませんでした。
3月のADP全米雇用報告は前月比26.3万人と2月の24.5万人から増加しました。2月の初期発表は29.8万人だったので、2月分は下方修正されました。
ADP全米雇用報告の数字は下っていますが、水準としては良いので、今週末に発表される雇用統計でも良い数字が出るだろうとの考え方から、景気が良い=利上げとなり、10年物国債の利回りが上がりました。
この発表を受けて米国10年債利回りは2.34%から2.37%と上昇し、連れて為替市場でも110円台から111円台へと円安に進みました。
23時43分現在のNYダウは172ドル高の20862ドル、原油価格は51.29ドル、日経先物は18990円と19000円目前まで上昇しています。
◆最近の傾向としましては、トランプ大統領の政策が失敗しているのではないかとの見方が広がって、経済指標が悪いと考えられていたところに、良い経済指標が出てポジティブサプライズが起り、米国と日本の株式市場が上昇します。
しかし、経済指標を好感した株式市場の上昇は、基本的には1日で終了します。つまり、トレンドとしての方向性ではなく、其の日1日の材料として経済指標が使われているからです。
いつも申し上げますが、経済的な指標による株式市場への影響は「1日限り」です。1日ではなく、トレンドとして株式市場に影響を与える問題は「経済が良化する」「経済が悪化する」という方向性を示すような材料が出た場合です。
たとえば、トランプ大統領は今のところは保護主義についてはコメントするだけで実行はしておりません。しかし、今回の米中首脳会議、続く日米経済対話によって、米国の保護主義に対する本気度が分かります。もし、米国が本気で保護主義を行う、関税を引き上げたり、いろいろな外国企業に対する妨害を行ったりした場合のことです。
この場合は、攻撃を受けた国の方も同じように報復措置をとります。米国が他国との貿易を悪化させる政策をとり、それによって他の国も報復で米国との貿易を悪化させる政策をとれば、世界中の経済が縮小することで企業業績が悪化し、世界の経済規模が縮小することで、株式市場は下げ続けることになります。
日本の場合で言いますと、1986年から1989年まで円高阻止のために金利を下げました。つまり、円高が続く間は金利を下げる、米国は貿易赤字解消のために円高誘導をする、という環境が続きますと、当面米国の円高誘導は終らないだろう、ということが日銀の金融緩和も続くだろう、金融緩和が続けば金余りが起って株式市場が上昇するだろうとの考え方通りに日本の株式市場は1986年から1989年までの金融緩和によって暴騰しました。
悪い材料というのは下降トレンドになりますが、実は、その時々で政治がなんとかしようと対策を講じます。対策を講じると株式市場は上昇しますが、トレンドが政治的に確定している場合は、瞬間的なブラフにしかなりませんので、織り込んだ後は再び株式市場は下落します。
つまり、転換点投資をする投資家にとっては、上昇トレンドよりも下降トレンドのほうが利益を得るチャンスは増えるということになります。
◆日本の株式市場のトレンドは、1982年から1989年までの上昇相場、1990年から2003年までの下落相場、2003年からは2012年までの迷走相場、2013年からはアベノミクスの上昇相場となっています。
この中で転換点投資の投資家にとって天国の時代は、1990年から2003年と、2003年から2012年の間でした。
それ以外の期間は転換点の回数が年間で1~2回、天国の期間は平均4回となっていましたので、天国でない期間でも1~2回はチャンスがありました。
世界の経済は1982年から上昇を続けています。すでに35年も続いています。コンドラチョフの波動は30年~50年単位と言われていますので、世界経済はいつ中期の不況入りをしても不思議ではない状況になっています。
もちろん、日本人としては困りますが、投資家としては不況入りは大歓迎ということになります。
「AIを使った投資ソフトの提供」グッドイシュー(近日、ケンミレ株式情報にサイト名変更予定)
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