昨日の日経平均は、5日移動平均線を下回って始まったものの先物が積極的に買われ、小幅安にとどまりました。9月に入って特に円安が日経平均を押し上げているように見えます。
9月初旬まで上昇は裁定買い残の伸びを見ると、円安と先物買いがセットで行われていた可能性が強いです。
■投機筋の動きを見ると9月以降の円安は実需のドル買いが主役か
FX投資をされる方にとっては、おなじみかもしれませんが、CME(シカゴマーカンタイル取引所)からシカゴIMM通貨先物ポジションというものが毎週金曜日(火曜日までの集計分)に発表されています。
この発表される数値で、ヘッジファンドなどの投機的な取引をする人たちのポジションが『円売り』に傾いているのかそれとも『円買い』なのかがある程度分かるようになっています。
その推移を見ると8月初めから9月2日(火曜日)にかけて「円売り」ポジションが大きく膨らみ年初の水準まで積み増しましたが、9月に入ってからは逆に「円売り」ポジションが縮小しています。
つまり8月初めからはGPIF改革で外国株や外債の運用比率が高まることが思惑となって円売りポジションを膨らませ、9月初めに円売りポジションがピークとなってその先はむしろ「円買い」ポジションを増やしていますので一先ず利益を確定する動きに出ていたことが予想されます。
このことから105円から109円後半まで円安が進んだ背景には、投機的な動きよりもむしろ実需としてドルが買われた可能性が高いことになります。
■急速な円安に対して政府関係者も懸念を表明
ドル円為替が「黙っていても円安になる要因」としては、1.日米の金融政策の方向性(米国は10月末に量的緩和をやめて、出口戦略に向かう方向に対して、日本は追加緩和が期待される状況)、2.日本の貿易赤字、3.GPIF改革による外貨資産の運用枠拡大などが挙げられます。
為替に関しては現在誰もが円安方向に向かうことについて「異論はない」状態のようですが、円安の日本経済への悪影響が懸念される中、甘利経済再生担当大臣や安倍首相からも「急速な円安進行に対する警戒感」を示唆する発言が出ています。
株式同様、「行き過ぎれば必ず反動が出る」ということは為替市場にも当てはまることかと思います。円安方向への材料ばかりが目につく現状は、株式相場に例えれば「行き過ぎ」とも思われます。
■短期的な「円高への揺り戻し」が日本株の買いタイミングを作るか
昨年5月23日の急落はバーナンキFRB議長の「テーパリング」への言及が原因でした。
緩和縮小で新興国市場からの資金流出が懸念され「リスク回避の円買い」となって、大きく円高・株安に振れました。
来月10月末に米国の量的緩和が終了する予定となっていますので、規模は予想できませんが「リスク回避」の動きが出るかもしれません。
8月8日を起点に日経平均は10%強上昇していますが、国内に具体的な買い材料がないため、過熱しようにも、投資家の疑心暗鬼がそうさせていないのかもしれません。
ただ期待先行ながらGPIF改革や追加緩和などがあって下げにくい状況でもあります。
買いたい弱気という言葉がありますが、いまはそんな地合いかもしれません。
そのためヘッジファンドなどの短期資金の値幅取りで為替株ともに値動きが激しくなることも考えられます。
ヘッジファンドの成績が振るわないことは報道でも見かけますが、今年はS&P500の利回りを大きく下回る低調ぶりのため、今年最後の巻き返しに為替で勝負に出ているのかもしれませんね。