今日、妻のお婆ちゃんの検査結果が出た。
妻のお婆ちゃんは84歳。妻はホント驚く程のお婆ちゃん子で、お婆ちゃんが大好きなのは身近にいて、正真正銘なものだと感じる。
お婆ちゃんは、最近とある検査で血圧が異常に低い事が分かったらしく精密検査をする事になっていた。
血圧が低いって事は、血液が体の何処かで流出している可能性があって、妻は医療関係者だから余計予想が拡がっている。
昨年、オレの母親が亡くなった。病名はガンだった。お婆ちゃんにも嫌な予想が漂う。
今日の検査結果。胃に4センチ程の腫瘍がある事が分かったのだ。
素人のオレでも、母の病気を看病と共に追っていたから腫瘍の大きさに事の重大さが分かる。
妻が仕事から帰宅した時は、装って気にしていないフリをしていた。
オレには強がっているのが良く分かった。帰宅後、きっと居ても立ってもいられないのだろう。実家に向かって出掛けて行った。
実家からの帰宅。お婆ちゃんの顔を見たからだろう。少し沈んだ感じでいた。
時間が過ぎ、妻の頭にはお婆ちゃんが思い返され、未来の嫌な創造がされたのだろう。
目に涙を一杯にして、お婆ちゃんの病気に悲しんでみせた。
オレは、どんな顔して振舞ったら良いのかホントに分からなくいて、変な作り笑いしか出来なかった。
俺の頭の中では、2人で悲しんでいたって何も始まらないし、こんな時に安っぽい言葉を掛ける事がどんなに軽薄であるのか。実体験で分かっているつもりだ。
だから妻へ掛ける最適な言葉が見つからず、装って明るくいること位しか出来なかったのだ。
そして、忘れない様に妻へ伝えたい言葉を備忘録として残そう。
妻へ
今の貴女には安っぽい言葉にしかならないかも知れないが、今は悲しい気持ちを体全体で感じていて良いと思う。
そして、でも時間を掛けて、気持ちを整理して、未来に向けて自分のしてあげられる事、やらなければいけない事を全力でやってあげて欲しい。
人道的に考えれば、人は必ずいつか死ぬのだ。そして、望ましくは年配者から亡くなっていくのが必然なのである。貴女の家族だって例外ではなく、いつかお婆ちゃんとの別れも必ず来るのだ。
もちろん、それが今回ではナイ事を切に願っている。今後、どんな展開になるか現段階では分からないし。
オレは実体験から、親愛なる人との別れがどんなに身を切り裂かれる想いなのか、言葉で言い表せない程悲しい出来事であるのかを分かっているつもりだ。
でも、その親愛なる人との別れから残された自分自身が大きく成長させるとも思っている。
母親との闘病生活を共に戦い、そして見送った。悔いの無い様にやりきった、ある意味清清しい気持ちが自分の自信になって、母への想い、母から受けた想いを胸に刻んで、もう頼れないと言う気持ちと現実が自分を前に進ませるのだ。
もしかすると、今度は貴女の番なのかも知れない。
お婆ちゃんの事を想い、お婆ちゃんから受ける想いを存分に胸に刻みながら、また一つ前に進んで欲しい。
オレは、貴女に教えてもらった親愛なる母との・・後悔の無い、悔いの残らない余命までの付き合いが出来た事に本当に感謝している。
だから、貴女も悔いの残らない様に、思う存分お婆ちゃんの事を想ってこれから付き合ってあげて欲しいと想う。