兄が迎えにきた。
夫婦間にあったことは言っていなかったが、なにかしら察するものがあったのだろう。長い道中、すべてを話した。●●に好意を持っていた兄は驚いていた。
急なことで荷造りは間に合わず、仕分けは●●に頼んで業者に荷造りをしてもらった。
お金をかけて引っ越し業者に依頼したのだから、ちゃんと仕訳して漏れがないように念を押した。
帰省から数日後に荷物が届き、箱を開けて驚いた。ダンボールはところどころゴミが詰められたり、スカスカで、これから伝い歩きをする下の子が使うだろう歩行器だとか、夏になったら使うかき氷機だとか、子供が好きだった絵本や遊具。必要なものが抜けている。
環境が変わる我が子のために、せめて不自由なく楽しく過ごせるようにと、気づかないんだろうか?開けると、どの箱からも水着を放置したような、かびの香りが漂った。
結婚のときに母が選んでくれたタンス、わたしが結婚前に買った無垢材のテーブルなど、気に入っていた家具には黒カビが生え、なぜか送られてきた●●の合皮のアウターは悪臭を放っていた。