●●は、普段は人当たりのいい優しい人間を演じている。
お金があって、子供を愛していて、頼りがいがあって情に厚い青年。
実際、いい旦那さんだねと言われたことは数知れない。すべて自分で作り上げた偶像だ。本当の彼ではない。

●●は本当の自分を嫌悪している。それが彼が今まで様々なことから逃げ続けていた理由なのだと思う。

借金や未払い金から逃げる理由。
使ったお金を払いたくない自分、計画的にお金を管理できない自分、浪費をやめられない自分、ルーズに支払いを放置した自分、借金を返す資金力がない自分を直視したくないから。

親から、逃げる理由。
自分の性質や幼少期から今に至るまでの問題行動を知られているから、生育環境に恥じているから。

私から逃げる理由。
過去の問題、借金、依存症、彼のここまで多くのことを知った初めての人だから。

子供も、成長して物事の善悪がわかるようになる。だから、逃げる。

そしてすばらしい自分でいられる刹那的な居場所を探して、そこに落ち着いて一時の安らぎを得る。

彼は都会の、広く浅い人ごみから次々に輪を見つけて生きていくしかない。

そしてすり切れていくだろう。人は徐々に周りから消え、負債は増え、中古の車すら買えず、滞納ばかりで借りられる部屋もなくなり、つとめる場所を転々として、年齢に反比例して給料は下がっていく。

彼が逃げているのは自分自身だ。
無責任で、怠惰で、底知れない闇を抱えている、見るに耐えない自分の本当の姿に追われて逃げ続けているのだ。