●●は結婚当初から、ネット通販を利用したときに代引きばかり利用していた。クレジットカードを何かしらの理由で所持できないからだ。いまどき代引手数料を払ってまで配達員にチャリチャリと小銭を数えて渡すなどナンセンスだ。
当時、私はかりそめの幸せの国の住人であったため、若い頃に何かしらやらかしたのかなとはうっすらと感じながら、見て見ぬ振りをした。
たまに着払いじゃないこともあった。伝票をみれば全て携帯キャリア直営のショッピングサイトだった。キャリア決済できるからという理由でわざわざ利用したのだ。
ちなみに●●は、コンビニの支払いに携帯キャリアが発行しているウォレットカードをよく使っていた。基本的にウォレットカードは現金や口座など手持ちの金を前もってチャージして使うものだが、このカードは別の使い道がある。キャリア決済を現金化するといえばイメージしやすいだろうか。存在しない金をチャージし、後日、携帯料金と利用額を合算して支払いができるのだ。
●●は実際、浪費で金がなくなってはこの現金化を行い、毎月の携帯料金が5万近くになるということを繰り返していた。それを指摘するとデータをチャージしたとか、今考えれば有り得ない理由で私を受け流していた。
今、手元にある明細を見れば全て真っ赤な嘘だとわかる。純粋な携帯の使用料は7000円程度で、他はコンビニでの買い物に使用していた。
不思議なことだが、携帯キャリアには金融業界とは異なる独自の信用情報が存在するそうで、●●のように所謂ブラックリストであっても、携帯料金を滞りなく払っていれば割賦もキャリア決済も利用できる。浪費家の家族をもつ者からしたら、はた迷惑な話だ。
もちろん、信用ブラックの●●のカードはクレジットカード機能のないもので、支払い回数は一回払いのみ。それが支払えなければ使えなくなる。
これは金と信用がない人間でも簡単に利用できる、本当に最後の手段。ブラックリストのなれの果て。前月の浪費に毎月苦しめられてはキャリア決済の現金化を行うという負のループ。まるで自分の支払い能力を理解していない人間がとる行動だ。
結婚した以前から彼は末期症状が出ていたのだ。