僕がすべての記憶を失ってしまう前に、思い出せる限りの記憶を文字化しておくことにしよう。特に女性たちのことについて。

 

 海外勤務を終えて帰国した僕が、超多忙な生活の中でSNS経由で出会った女性は中部地方在住の既婚者だった。こちらも既婚、恋愛ゲームのようなことをするつもりはないし誰かを口説くのを楽しみにするような気分でもなかった。なんとなく言葉を交わし、ホッと一息いれる相手を探していたところ、応じてくれたのがこの人だった。

 

 写メがそれほど一般的でなかった時代、お互い顔を知らないまま新宿で待ち合わせた。高速バスが遅れて待ち合わせ時間を1時間過ぎた頃、彼女は現れた。といっても目の前を通り過ぎて再び戻ってきたのだが、見た瞬間僕だとすぐにわかっていたそうだ。こちらもすぐにわかったが照れもあって通り過ぎてしまった気持ちはよくわかった。

 

 お互い、それまでのやりとりがあったから見た瞬間すぐにわかった。顔や服装の特徴ということではなく互いの雰囲気でだ。こうして、メッセージ交換から数ヶ月を経た初めのデート、街を歩き、食事をし、帰りは高速で彼女の地元までドライブ。そして別れ際にキスをした。それまで素性を明かさなかったが、翌日、お互いに本名、職場、家族のことなど全てを明かし、交際が始まった。

 

 初めての****は横浜のホテル、彼女が一人で東京に来て友人たちとお台場で遊んだあと待ち合わせた。ランドマークのエクゼクティブフロアが似合うタイプの女性ではなかった。彼女は純粋で素朴な人、そして少女っぽい詩人だ。きっとクラスでは人気だっただろう。ショートカットを明るい色に染め、美人というよりかわいいタイプ。アイドルグループのメンバーのような魅力があった。

 

 幼く見えるが甘えん坊ではなく、しっかりと自分を持った女性。***は夫、夫婦の****も回数を数えられる程度だと言っていた。体つきも****ではなかったし、本当に経験が少なかったのだと思う。だからベッドの上ではぎこちなかった。****は初めてしたと言った。したことはないけど、こんな時どうすればいいかはわかってるからと。経験の少ない女性に手ほどきをすることが僕には刺激的だった。痛がったのでゆっくりと時間をかけ、やっと***たが、彼女は初めての時のように**していた。

 

 二度目のデート、彼女は~

 

 三度目のデート、別れることを決めてから~

 

 別れを決めてからからだを重ねるのはどうかなと思った。~彼女との最後のデートだった。