だがこの方針を65億の人間に適用することはまったく不可能である。今経済発展を急激に行っている中国、インド、ブラジルなどに今すぐその開発を止めさせることはできない。アメリカ人の車を、浪費を直ちに止めることもできない。

増殖した癌細胞はついにその宿主の生命を侵しはじめる。転移の開始である。具体的には限りなく増大する浪費(これを内需とよぶ)を前提とする合衆国式消費生活が世界中に「転移」した。残念ながら21世紀はちょうど「末期癌」にあたる。

もちろん癌患者の中には、治療もしていないのに、自然に癌が小さくなったという例もないわけではない。だがその多くは内臓がやられ大きな苦痛と共に宿主が再起不能となる。過去の大絶滅では、わずかながらでも次の時代を引き継ぐグループが存在した。ところが人間は原発を作ってしまった。これが人類滅亡後放置されると、その割れた炉心が大気中に露出し、今後何千万年もの間地球の環境を汚染し続けることになる。そのような強力な放射能の中でも元気に生き続ける種があるかどうか