家にあるアコギは、兄が買ったものだそうだが、

兄は全く練習せず、弾けるようにはならなかったそうだ。






ケースには、説明書のような物があったが、あまりよくわからない。





ただエレクトーンをやっていたので、音感はあった。




エレクトーンでも、よく流行っている曲を耳で拾って弾いたりしていた。

譜面を見ながら弾くのが苦手で、完全に音を覚えて弾いていた。






で、オクヤンに薦められた、この曲のイントロ。





Led Zeppelin / Led Zeppelin4

タカスィの記憶





に、収録の




「天国への階段」!!!!






これアコギの音だよな?




と、1音1音拾って押さえる場所を探し出した。






ほう・・




ほうほう・・





どの弦をどの指で押さえる必要があるか、が、

必然と見えてくる。





完全に手探りだった。




この弦はこの指で押さえないと、他の弦が押さえられない・・等々





今思うと、コードのCもGも知らない時に、よくやったなと思う。






どれくらいかかったか、


何日かかったか、わからない・・





熱中すると、今も昔も時間を忘れる・・・







ゆっくりだが、なんと最初の3小説位まで弾けるようになった!!





正直、熱中しすぎていて、

弾いて嬉しかったとか感動したとか、の記憶は無い。




ただただ夢中だった。




絵を描くときの、それに似ていた。




僕はたまにだが、デッサン画を書いてみることがある。


楽しいから、というよりは、夢中になれるからだ。


その「時間を忘れる感覚」が、心地よかった。




そして最初全く絵になりそうな気配も無い線が、


気がついた時、絵になっている。






タカスィの記憶







自分が描いた物じゃないみたいな感覚だ。






その一連の流れを楽しむ事が、ちょっとした趣味だった。







その時のギターも、それに似ていた。

スピーカーから聞こえてくる音を、そのままギターに置き換えてゆく。

見える物を、そのまま紙に描いてゆくのに似ていた。






なんとなく音を探し出し、夢中になり、


気がついたら形になっていた。






だが、、あと、もう少しで!!


というところで、残酷なな事実発覚。。






ある日、図書館でギターの本を見つけて読んでみた。







ん?







あ・・




うちのギター・・・




チューニングが、全然合ってない。。。泣






ギターの弦の正しい音程は、太い方から、

ミ、ラ、レ、ソ、シ、ミ、

と決まっていたのだ。





兄のギターは何本かの弦が、


全然違う音にぴったり合っていたため、


そのまま、音を探し出してしまった。




つまりそれで弦を正しく合わせると・・・・

やっと覚えた部分が、全然音が変わってしまう・・。




押さえる場所が変わってしまう。




かなりためらったが・・・合わせた。




今までやったものが、





無になった。






やり直しだ・・・