”別居している”という事を知らされたところで、



何故そうなったか?



理由は知らないし、知ろうともしない。



「別居してるんなら付き合ってもいいかな・・・」 とも思わないし、



そもそも奥さんの気持ちがどうなのかわからないから



自分の立場が不利になる事はできないって思った。




まぁ要は、その事実を知っても 私の気持ちに全く変化はなかったって事なんだけど。












お泊りの後からも、ちょくちょく連絡はくるようになった。




「逢いたい・・・」




ってメールしてきたり、




夜遅くに電話してきては




「オマエの声が聞きたかった・・・」




って言うし。





正直、全然嫌ではなかった。



むしろ結構嬉しかった。




連絡だけじゃなく、食事もたまに行ったんだけど、



恐れていた ”会ったらキスをする”というのも全然なくて、



私としては、高野さんに対して すごく好感を持てた。




ほら、たまにおるやん?



1回何かしたら、その後ガッツいてくるヤツ(^-ェ-^)




そういう面でも、高野さんとは本当に居心地が良くて、



そうやって好意を持ってくれてるのは素直に嬉しかった。




ただ、



嬉しいんだけど、ドキドキしない。






余談だけど、



私 結構、好きになってくれる人を好きになる傾向があって、(もちろんある程度好感が持てる人ね)



今までもそういう感じで付き合って、



最終的には私の方がハマっちゃって痛い目に合う、



っていうオチなんだけど、



高野さんに関しては、私は決して嫌いじゃない



むしろ、人としてもすごく好きなのに、



全然気持ちが動かない・・・。



何でだろ・・?



やっぱり結婚してるからなのかな?



自然と気持ちをセーブしてるのかな?



自分でもわからない。




もしかしたら この時



私の中では 坂下さんの存在が大きかったからかもしれない。














ある日の電話で、高野さんがまたこんな事を言ってきた。





「付き合ってよ」







いやいや、だから~~~~



それは無理やって!



アンタ結婚しとるがな!



不貞行為はアカンって!





っていうような事を言うと、高野さんは笑って、





「俺 別にオマエとヤりたいわけちゃう。 今みたいに食事に行ったり、電話したり、メールしたりしたい。


”付き合う”って言っても、別に彼氏・彼女の関係になるわけじゃない。今までと何一つ変わらへん。


でも正直 俺は”男女の友情”はないと思ってる。気持ちの問題や。


俺はオマエの事が好きやし、オマエも俺の事を好きになってよ」






私は即答で



「いや、好きですよ?」




「じゃぁ付き合ってよ」










ねぇ・・・



それって意味あるんですか?



『付き合う』って何ですか?



男女の付き合いって、=セッ クスではないんですか?



あ、いや。



イコールではなくとも、それは必然的に付いてくるもんではないんですか?



そう連想してしまう私は、スケ ベですかい?








そんな疑問を抱きながら、



「高野さんの言う”付き合い”って何ですか?」



と聞いたら、




「人と人との付き合い」




だと。


















なんだそれ( ̄Д ̄)y─┛~~




ますます意味わかんねー。






でもこの時 私は瞬時に思った。





高野さんが何も言わなければ、おそらくこのままダラダラとこんな関係が続いていったんだと思う。



けど、それをわざわざ口にしたという事は、



下心があるという事だ。



それを承知なら やっぱり断るべきか。



いや、でも高野さんは 口だけであっても一応”今までと何も変わらない”って言ってるし・・・。



もしここで断ってしまえば、多分 今後は一切連絡も取らない方向になると思う。



それは・・・



嫌だ・・・。

















私は 「わかった・・・」 と返事をした。



あくまで”人と人との付き合い”という意味合いで・・・。




いわゆる”男女交際”という意味なら、ハッキリ断っていたと思う。



でも、高野さんとの関係を絶つのは本当に嫌だと思った。





これが『好き』って事なのか・・・?




いや、違うよねぇ?




だってドキドキしないんだもーーん。


















一応、言葉では”付き合う”って言ったけど



私の中では それは形にはなってなくて



今までと変わらない ”野郎の関係” のままだった・・・。