子供の頃に、漫画雑誌をめくっていると、デビルマンの1シーンが(当時は認識していなかった)目に入り、その恐ろしさから本を閉じてしまいました。
小学生の頃にアニメ版のデビルマンを視聴し、その格好良さにしびれました。
大人になる頃には、原作漫画とアニメは全くの別物だとは認識していましたが、辻真先が書いたほぼオリジナルという情報しかありませんでした。
仕事をして、自由になるお金が増えた際に、愛蔵版パック全5巻(文庫だが、装飾箱入り)を購入。
この時点では「最終回は床屋で読んで知っている」程度の理解度でした。
読み進めると、アニメとはまったく異なり、辻真先が「出てくるなら教えてくださいよ!」と言った飛鳥了が大活躍。
怒濤の勢いでストーリーが展開し、永井豪特有のハルマゲドンラストを迎えて行きます。
デビルマン不動明の心にシンクロし、激しく感情を震わせ、失った最愛の人を思いを共有して最後まで一気に読了しました。
これを連載時に読んでいた人は、次号が待ち遠しかったろうなと思います。
人間の愚かさ、儚さなどが見事に表現されている作品です。
永井豪の作品は初期から、後期(漫画ゴラク)までほぼ読んでいますが、一番記憶に残っている作品です。
文庫版でたったの5巻です。
この短さで、素晴らしい密度の作品を完成している永井豪も、天才の一人だと思います。