M子の決意表明はDrPにとっても心強いものでした。「さあ行こうもう少しだよ」。言葉に力が入ってきています。霧が晴れた前方を見据えると出口が目の前に広がって見えてきました。皆もほっとしたのかみるみる明るくなってきました。「見えてきたぞ」。人々の中にも励ましの言葉が飛び交い安堵の表情がみえます。この間、アルカリの地底湖などで泳いで楽しんだ思い出よりも、いつ終わるとも分からないトンネルを抜ける瞬間の感動が、やはりこの上ない大きなものでありました。「ワァー」と歓声が響き渡ります。誰かが言います「これは本物の水だよ海水だ、まがい物じゃない。信じられない」。大きな変化が訪れ、これまでは「水」だと思っていたものが酸だったりアルカリだったりしたのですが、地平線まで純粋な「水」の世界に到達したことをそれぞれが確認します。