一言付け加えると、ミソズイはここへ探索にやってきている人々のことを「市民」と親しみ深くそう呼んでいます。それは、軌道上にある母船の中で暮らしている人々も含めてすべてを指しているのは容易に分かるものでした。そして、いつものテレパシイのような方法で一斉に呼びかけます。「市民よ。心配はいらない。勇気ある人々の集まりだからこそ私は全力であなた方を守る。このままずっと先までも」。一方、実際には体内の万能のナノロボットが人々を過酷な環境から守っています。生存に必要なすべてを提供するナノロボットのシールドで守られながら高温で高圧、強い放射線を放つ鉱物、酸やアルカリの水の中を少なからず進んできました。DrPはそれについて特殊なレコードの検索から知りえたことを皆に補足の方法で語り掛けます。「ミソズイのナノロボットは、元々は神々の寿命を延ばすために、数々の優れた異星人と競い合いながら作られたもので、人類の歴史で例えると『アムリタ』や『エリクサー』といった伝説上のものに似ている。たった一つのナノロボットが複製を繰り返していく様はウイルスが増えていくのと同様なメカニズムのようだ。また既に我々の知っているウイルスの一部は開発途上の残滓らしいね。ミソズイはさながらギリシア神話のヘーパイストスのような有能な技術者でもあったんだね」。話しの途中でM子は切り出して「この先はどうなっても皆とミソズイと一緒に行く。そしてそれが運命のような気がするし、本当のところハグして分かったんだ」。M子はその時、不思議なバイブレーションが体に伝わったと言って急に上方を見上げて背伸びをしながらクスクスと笑いました。

 

トンネルの先端出口付近

(leonardo.ai生成)