9月11日はアメリカ同時多発テロが起きた日。

その記憶は今でも多くの人の心に残っている。

昨日はその9.11からちょうど20年。

先日、9.11を経験し今もなお、そのトラウマと闘う人の記事を読んだ。

 

 

当時NY市の警察官として現場に居合わせたキャロルさん。

事件から今までどんな20年間だったか?という質問に、

事件から20年が経ちましたが、私たちファースト・レスポンダーやサバイバーは、毎日、9.11の日を生きています人はあれから20年経ったと思うかもしれません。しかし、あの日あの場所にいた私たちには、毎朝のように、9.11の日に目覚めている感覚があるのです。毎日のように、あの日のことが脳裏に蘇っています」と答えた。

 

あなたにはトラウマがあるだろうか?

人は何かしらのトラウマを抱えて生きていると僕は思っている。

実際に自分も幼稚園の頃にトラウマを経験した。当時、自分が積み木遊びをしている子のそばを通りかかった時に、たまたま積み木が足に当たり(崩れたりはしていない)、それが原因ですごい剣幕で怒られどつかれたことがある。今振り返ればその子は真剣に遊んでいて邪魔されたことに腹を立てただけで、なんてことない出来事だと思える。

 

でも当時は人生で初めて身体的な危害を加えられた恐怖と、そんな些細なことで人はここまで怒るのかという驚きから、対人恐怖症になってしまい家族以外の人と接することが怖くなったというトラウマがある。今ではもう当時のことは気にしていないけど、他人に対しての恐怖感は未だに少し心の片隅に残っている。

 

キャロルさんのような大事件に巻き込まれて起きるトラウマもあれば、自分のような些細なことから起きるトラウマもある。だけどトラウマに大小なんてなくて、当の本人からすればどんな理由であれトラウマは大ごと。何十年経った今でも、トラウマは自分の中に生きているのだから。それは一生癒えない心の傷を負っているようなものだ。表立って見えないだけで、街行く人の中にもそんな傷を抱えながら毎日を生きている人も多いんだろうな。そう考えると、「生きてるだけで偉い!」と思えてくるし、大変なのは自分だけじゃないなときづか

 

キャロルさんは、9.11の被害にあった事、その後遺症で病気を患っている現在の状況に対し、「そんな自分を憐れみたくはありません。病気にも負けたくありません。レジリエンス(困難な状況から立ち直る力)があり、ポジティブであろうとする自分を支えにしています。」という力強い発言にはとても勇気づけられるし、つらい経験を乗り越えた人間的な強さを感じる。

 

一方で、キャロルさんのように逞しい人ばかりではないのも現実だと思う。そういう人ほど信頼できる人と過ごしたりカウンセラーに相談したりして、一人で抱え込まず、周りに頼った方が気持ちは楽になる。あとは時間に解決してもらうのも一つ。トラウマ体験直後は気持ちの整理がつかないから、落ち着いたときに向き合ってみる。あと子供の頃のトラウマはその時には対処できなくても、大人になるにつれて知識と経験が増えるから自分で向き合うことも可能になる。自分はこの方法で克服した。

 

色々とやり方はあるから自分に合った方法で、決して無理せず自分のペースで向き合っていけばいい。そしてトラウマという心の中に潜む暴れウマを、少しずつ手懐けていく。そうやって自分のトラウマという心の傷を抱えて生きることができたら、キャロルさんのように優しく人逞しい人に一歩近づくのかもしれない。