先日、某駄菓子屋にて見つけました。
フェリックスのチューインガムにござります。
このガム、わたくしが幼少の頃からあります。
久しぶりに見かけましたので、思わず衝動買い致しました。



中身の形状も味も、当時と同じにござります。
ハズレでしたが・・・。

さて、当時このガムの事を「フェリックス・ガム」ではなく、
何故か「のらくろガム」と呼んでいたのを、思い出しました。
どちらも色彩的には似ておりますが、動物の種類が全く違います。
フェリックスは猫、のらくろは犬なのです。
しかも、フェリックスは米国の漫画で、のらくろは日本の漫画です。



こちらがフェリックスで・・・



こちらが、のらくろです。

まー、確かに似ているといえば、似てなくも・・・
似てないですな。

当時、フェリックス・ガムの姉妹品で、のらくろガムなる物があったのでせうか?
その事を調べるべく、インターネットで検索してみたら、
実に面白い結果が出たのであります。

グーグルで「のらくろガム」にて画像検索したところ、出てきたのは
フェリックス・ガム、フェリックス・ガム、フェリックス・ガム・・・
とにかく、フェリックス・ガムの画像がズラリと出てくるのです。
各々方も一度、グーグルで「のらくろガム」で
画像検索してみて下さりまし。
面白いくらいに、フェリックス・ガムの写真が出てきます。
これすなわちフェリックス・ガムを、のらくろガムと呼んでいたのは
わたくしだけではない、といふ事にござります。

ブログに執筆されている方も、おられました。
「フェリックスなのに、のらくろと呼んでいた」と
記されている方が、結構いらっしゃいました。

では何ゆえフェリックスなのに「のらくろガム」と呼ばれていたか?
それは、先述のわたくしの想像通り、実際にかつて
「のらくろガム」なる商品が販売されていたからなのです。

でも、のらくろガムが発売されたのは1970年、
それに対してフェリックスガムの発売は、1960年だったのです。
のらくろガムよりも、フェリックスガムの方が10年も先に
発売されていたのに、後から出て来た類似品の
のらくろガムの名前の方が定着してしまったのは、
なんとも皮肉なものです。

やはり、米国の漫画のフェリックスよりも、
日本の漫画ののらくろの方が、我々には馴染みやすかったのでせう。

ところでこの「のらくろガム」といふ呼び方ですが、
幼少の頃のわたくしが自発的にこれを「のらくろガム」と
呼んでいたのではなく、恐らく
親や、駄菓子屋のオバハンがそう呼んでいるのを聞いて、
自ずと「のらくろガム」となったのだと思います。
何故ならわたくし自身、「のらくろ」といふ漫画を見たことが無いのです。
戦前の漫画ですから、わたくしよりも
わたくしの親や、駄菓子屋のオバハンの世代の漫画なのです。
彼らがフェリックスをのらくろと見間違えて、
「のらくろガム」と呼んでいたのを聞いて、
自然と自分達もそう呼ぶやうになったのだと思います。

で、我々が「のらくろガム」と呼ぶものですから、
我々の下の世代の子供達も、そう呼ぶやうになり、
今なおインターネットで「のらくろガム」を検索したら
現在販売中の「フェリックスガム」が、ズラリと出てくる
結果になっているのだと思います。
めでたし、めでたし。