私は減薬初期には錠剤を指で割って4分の1錠ずつ減らしていたが、離脱症状が強烈だったため、この方法での減薬継続は不可能と考えるようになっていった。
その頃(2017年2月頃)SNSでは、ゆっくり減薬する方法として懸濁液(注)を用いた減薬と精密秤を用いた減薬が紹介されていた。
私は、以下の理由に基づき、懸濁液よりも精密秤を用いるほうが安全であると判断した。
1)懸濁液においては薬剤濃度の均一性が確保できないため、ここからシリンジによる懸濁液抜き取りを行っても、精密に所望の量のクスリを得ることは困難である。例えば懸濁液の上の部分を抜き取るとクスリをほとんど抜き取らない若しくは底の部分を抜き取るとクスリを多く抜き取るといった可能性がある。
2)錠剤を服用する場合、通常は錠剤を口に入れてから水で飲み込む。しかし懸濁液中では既にクスリの剤型が変わってしまっているので、これを飲み込んでも胃腸での消化吸収の量や速度が異なる可能性がある。
(注)SNSでは以下の手順でつくったものを「水溶液」と呼ぶことが多い。
1)錠剤を計量カップの水の中に分散させる。
2)所望量のクスリを得るため、ここから不要分をシリンジで抜き取る。
しかしベンゾ系錠剤はほどんど水には溶けないので、こうしたものは「懸濁液」と呼ぶほうが適切である。
試しにベンゾ系錠剤(例:リボトリール)を計量カップの水の中に入れてからかき混ぜてみると錠剤が砕けて見えなくなるのだが、数分後には計量カップの底に沈殿することが確認できる。
リボトリール錠0.5mg/リボトリール錠1mg/リボトリール錠2mg/リボトリール細粒0.1%/リボトリール細粒0.5% (pmda.go.jp)
「19. 有効成分に関する理化学的知見」項に「水にほとんど溶けない」という記載がある。