9月29日は長男の22歳の誕生日だった。
3800gで生まれ、髪の毛はもちろん体中が毛深い、胸板の厚いベビーだった。
22年の間にいろんなことがあり、それでも今が一番いいのかなと母は思う。
元夫は離婚後も子供の誕生日は一緒に祝いたいと言うので、いつもみんなで外食する。
しかし、昨年末の末っ子と今年3月の次女の誕生日には何も言ってこなかった。
次女に至っては20歳の誕生日だったのに。
やらないでいいならそれに越したことはない。子供の誕生日だから何も言わず従っていたが、私は元夫とは顔を合わせたくない。
ところが誕生日の2日ほど前に、長男から父親がご飯に行きたいと言っていると聞いた。
たまたま次女もバイトが休みだったから、それじゃあ行こうということになった。
その日は私は普通に出勤していたのだが、長男が今日何時にどこの店なのか聞いてきた。
そんなもん父親が予約しているだろうから聞いてみろと返信すると、予約していないらしいと返事があった。
焼かな治らん、いや多分焼いても治らん。
昔からそうだ。あそこへ行こう!あれをしよう!言うだけ言って自分は何もしない。
すべて計画して予約して連れて行くのは私だった。外国人だからしょうがない?
んなわけないやん。ちゃんとやっている外国人の夫はたくさんいる。
できないのとやらないのは大違いだ。
予約も取れていないなら、今日の外食はキャンセルでいい。私はそう思っていたが、
長男が近所の焼き肉屋に予約を入れた。誕生日の主役が自ら…
しかもサッカースクールの子供たちを試合に連れて行った出先で予約したらしい。
かわいそうに思いながら、私は仕事帰りに直接焼き肉屋に向かった。
元夫が先についてすでに入店していた。すぐ後に長男と次女も到着した。
何事もなかったかのように、乾杯をして長男の誕生日を祝った。急に帰ってきた末っ子も合流して、しばらく賑やかに食事をしていた。
ふと長男がスマホをじっと見ていた。画面は着信中のようだった。電話に出ようとせず
店を見渡している。するとレジ付近で電話を手にしたアルバイトの女の子がこちらを
見ている。長男は手を挙げて合図をして電話を切った。
何事だろうと思っていると、電話をかけていた女性が近づいて来て、長男に「田中様ですか?」と声をかけた。長男は「はい」と返事をした。
なんのことだ⁈うちは田中姓ではないぞ。「わかりました」とアルバイトさんが戻って行ったので、「なんなん?」と聞くと「田中一郎で予約してた」と言う。
すると元夫が「あ~!それでか、先について○○で予約してますと言うと、その名前で予約は入っていないと言われた。何度も○○で四人予約していると言っても、変な外人がまちがえてるんやろなと思ったのか、この席に案内された」と言い、大爆笑した。
ネットで予約するのに本名名乗ることないかと思って、と長男。いや別に本名名乗ったところで誰も知らんで。しかも田中一郎て。
そして食べ終わって店を出ようすると、店長さんが「予約席用意してたのにごめんなさいね」と言われたので、こちらこそ連絡不足ですみませんでした、と謝ったが
何の連絡不足や笑
久しぶりに長男が家族と会話するのも聞けて、以前のように冗談も言えるようになったのを見ながら、ゆっくりながらも自分を取り戻しているんだなと感じた。
と、ここまでを実は三日前に書いていた。
最後、読み直してから投稿しようと、いったん下書きに保存したまますっかり忘れていた。というより、投稿したと思っていた。
やろうと思っていたことか、やったと思い込んでいたことか、物忘れで済まされない
忘れ方をすることが増えた。私も22歳に戻りたい…