昨日、仕事から帰って夕飯を作ろうとしていたら母から電話があった。

エアコンのリモコンがタイマー設定になってしまい、スイッチが入らないと言う。

すぐに母の家に行った。

リモコンの電池を替えるためフタを開けようとしてタイマーボタンを押してしまったようだ。3時間後につくように設定されていた。タイマーを解除してエアコンを作動させた。

この暑さ、シルバーカーを押して買い物に行くのは危険だと思い、明日休みだから買い物に行こうと母を誘った。母はとても喜び、服も買いたいというので、専門店とスーパーがあるモールに行くことにした。

 

そして今朝、10時ごろに母を迎えに行き、買い物をしてきた。

腕を上げる動作が難しくなり、Tシャツよりブラウスがいいと言うので、高齢者むけの

服も売っている店に入った。さらっと肌触りもよく、七分袖のブラウスがあったので

色や柄をどれにするか二人で見ていたら、母と同じぐらいの年齢の女性も同じような

ブラウスを見ており、「娘さんがいたら選んでもらえていいわね」と話しかけてきた。

介護の仕事をしている時、息子しかいない利用者がよく言っていたことを思い出した。

「息子なんか産んでもしゃーない。娘がおらんと」「息子3人より娘一人おったらどんなにいいか」みなお嫁さんには気を使ってあれこれ頼めないと口をそろえて話していた。

 

私はなんとも返事に困り、「それもいい色ですね、お似合いですよ」とその女性が手に

とっていたブラウスを指して言った。すると母が「全部娘に任せてるんです。今日も暑いから一人で買い物行ったらあかんよ、言って連れてきてもらってね」と余計なことを

言った。女性は「そうですか、いいわね」と言って別の筋に入って行かれた。

 

母は常に、だれそれは息子が仕事帰りに毎日家に来てくれる、だれそれは病院も買い物も娘さんが管理していて自分は連れて行かれるだけだと言う、だれそれはいつも孫がスマホの使い方を教えてくれる、そんな話ばかりしてくる。私にはそれがたまらない。

自分もそうしてほしいと遠回しにアピールされているのは明らかだ。

普通にそういうことができればどんなに気が楽だろう。私だってそう思う。

そうできない関係を作ってきたのは母だ。私なりに年老いた母になんとか世話らしい

ことをしてあげたい、そう思って神経をすり減らしているというのに。

 

買い物の帰り、孫たちとご飯を食べに行きたいと言った。末っ子が帰ってきたら、みんなで出かけようと言われても、子供たちの予定は見事にバラバラで合わない。

そうやな、久しぶりにばあちゃんとご飯行こか、と思えるような関係を孫たちと築いてもいないのに、また無茶なことを。

ひ孫にいたっては、婿側の曽祖父は何度も会いに来ているのに、私の母は結婚してからも一度も家に呼んでもらったことがない。

私から長女にばあちゃん呼んであげて、とも言いづらい。

もちろん母は今日もひ孫の話をしていた。涼しくなったら連れて来ると思うよ、とだけ

言っておいた。