おはようございます!

理学療法士の權藤大介です。
 
 今回も長文になってしまい、ご容赦ください。


如何にして一つ一つの筋肉の姿勢のために使う労力の割合を減らしていくかという話をさせて頂きます。



竹井仁:姿勢の教科書より引用
人間は重力に負けずに直立姿勢を維持してくれる筋肉のおかげで陸上での生活が可能となっています。その筋肉のバランスが悪くなると姿勢が悪くなり、パフォーマンスも落ちてしまいます。
 
 
 
具体的なお話しさせていただくと、
 
例えば、猫背。
ストレッチポール公式ブログより引用
筋骨格系のキネシオロジーより引用
顎が前に出て頸部屈筋群(胸鎖乳突筋・前斜角筋など)が短くなることで発声に影響する(詳しい構造はまた今度)可能性があります。
 
 
 
筋骨格系のキネシオロジーより引用
次に、背中が丸くなり肩が前に出ることで大胸筋などが短くなり、肩が上がりづらくなります。さらに肋骨の間にある肋間筋も硬くなるため肺活量が低下します。もちろん肺活量が低下すればスタミナは落ちますし、呼吸が浅くなれば横隔膜は硬くなり声量が落ちてしまいます。
 
 
 
骨盤の後傾により背骨から大腿骨まで繋がる腸腰筋が短縮すると、骨盤周りを安定させる・腿を持ち上げると言った動作で大腿四頭筋などが優先的に働くようになります。
 
さらにそれらの筋肉が優先的に働く習慣は座り姿勢も影響を受け、アーティストの場合ですとドラマーの方のパフォーマンスでは上半身が後ろに倒れないように前に引っ張りながら脚を動かすことになります。

大腿四頭筋は速筋と呼ばれる、瞬発力系の筋肉なので疲労しやすく、股関節と膝関節をまたいで付着しているため腿を持ち上げると膝を伸ばす動きも同時に起こる可能性が高く、疲労の蓄積によりイメージと実際の動きにズレが生じやすくなります。
 
ざっと挙げただけでもこれだけの事が考えられ、バランスが崩れたことによる骨や靭帯、神経への影響を考えると数限りなくあります。
 
 
 
では抗重力筋を鍛えれば良いのか?というわけではなく、抗重力筋として働く割合が多くなれば、パフォーマンスに必要な動きに使いにくくなります。加えて重力に逆らう筋肉の活動が優位になってしまう事で、動作のスピードと効率を上げてくれる落下する動きに対し身体が力んでしまい、動作のキレが失われます。


 
大切なのは、重力に抵抗するだけでなく利用できるように全身を使って、特定の筋肉を使用する事で起こるバランスの崩壊を防ぐ事。




それが今回伝えたかった身体の使い方となります。




最後にトレーニングのご紹介。


インスタグラム JARTA internationalより引用
全身を使って立つトレーニングです。
力みなくしゃがむためには、脱力した状態で立たなければなりません。
体重は常に内くるぶしと外くるぶしを結んだ線の中心点(ウナ)にかかっている事、行う際に頭が前後・左右にがグラつかない事、立ち上がる時も爪先や腿の前が力まない事がポイントです。


 ②
インスタグラム JARTA internationalより引用 
ランジ姿勢での脚上げです。
まずは前に出した側は腿前には力を入れず腿の後ろで支え、後ろに伸ばした側も腿前やお尻の筋肉に力を入れず大腰筋で支えて姿勢をキープします。
その姿勢ができたら、頭が上下に動かないように、脚の筋肉を使わず、みぞおちをゆるめて大腰筋で引き上げます。
力まずに動き出す事や、脚を上げる事が可能になりますので、相手に動きを読まれにくくなる、脚を持ち上げる動作での疲労が軽減されるなどの効果が得られるはずです。
 



それでは、また!