薔薇庭園で赤髪の女性と黒いフードを深く被
った少年が話していた。
少年は女性から1本のナイフを受け取ると森
の中へと姿を消した。
4人は全力で森の中を走っていた。
「なんなんっスかあれ‼」
冬姫が息を荒くしながら言う。
桜乃が走りながら少し息を整えて。
「ティラノサウルスとか…」
4人の真後ろには高さ3メートルほどのティ
ラノサウルスみたいな恐竜が襲い掛かろうとし
ていた。
桜乃は足を止める。
「うそでしょ…」
いつの間にかイバラが4人を取り囲むかろよ
うに道をふさいでいた。
逃げ道を失い4人はただ立ち尽くすことしか
できなかった。
4人が立ち尽くしている間に恐竜は獲物を確
実に捕らえる射程に入っていた。
そして4人に襲い掛かる。
森には4人の悲鳴と何かが壁にぶつかる鈍い
音が響き渡った。
「…なに?」
智春は目の前の光景を理解できなかった。
後の3人も一緒だ。
その光景は恐竜が透明な何かに突進しては後
退し、突進しては後退と繰り返していた。
「よくわからないけど僕たち助かったみたい
だね」
雪兎がほっとしたのもつかの間。
「残念だけど私たちダメかもよ、前の透明な
壁に亀裂が入っているのだけど…」
桜乃がそう呟く。
そして次の瞬間、“パッリーン„という音とと
もに透明な壁は崩れ落ち恐竜は4人に襲い掛か
る。
智春と冬姫は抱き合い悲鳴。
雪兎はしりもちを着いて後ずさり。
桜乃は少し後ろへ下がる。
恐竜が2歩ほど前進したところでいきなり恐竜
の首が地面に落ちた、そして残された体はゆっく
りと倒れる。
そして4人の目の前には赤髪の少女が立ってい
た。
赤髪の少女の手には血の付いたハンティングナ
イフが見えた。
たぶんこの少女が恐竜の首を切り落としたのだ
ろう。
赤髪の少女は智春に近づき首筋にナイフを突き
つける。
「なぜこんなところに‼殺されたいのか‼」
赤髪の少女は智春に向かって怒鳴る。
智春は驚いて何も言えずにいると。
「あの子と一緒で異世界から来た者よ」
いつの間にか赤髪の少女の後ろにもう一人の少
女が立っていた。
彼女は綺麗な蒼い髪と瞳がすごく特徴的でどこ
か寂しそうな感じがした。
「キムナイフをしまいなさい」
蒼髪の少女は赤髪の少女、キムに告げる。
キムは静かにナイフをしまい智春を少し睨んで
蒼髪の少女の後ろへと下がる。
「あなた達にここで生き抜くすべを与えてあげ
る」
蒼髪の少女はそう言うと手を前にかざした。
少女の掌からビー玉くらいの蒼球体が4つ出て
きて4人の身体の中へ吸い込まれるように消えた
。
「何ですかこれ?」
と雪兎か尋ねる。
「あなた達がここで死なない為のお守りみたい
なものね、私たちそろそろ行わ」
そう言って蒼髪の少女とキムは4人に背を向け
歩き出した。
「ちょっ」
智春が2人を止めようとするのに蒼髪の少女が
気づき。
「私はレベッカ サンチェス、聞きたいことは
後ろの城の主に聞きなさい」
「城?」
智春は疑問に思った。
自分たちの後ろにはイバラしかなかったのに。
すると冬姫が
「何で城があるんスか?」
後ろを振り向くとそこにはイバラは無く大きな
城が建っていた。
「さっきまでなかったのに」
なぜいきなり城が現れたのか智春は理由を聞こ
うと後ろを向くともうそこには2人の姿はなかった。