若い頃から山歩きが好きで

近隣の山々や誰もが知る山へは出掛けて楽しんだけれど

還暦を越えた頃から 病に侵され体力の減退を感じる様になって

次第に「山は逃げていく」のを感じる様になって 少し焦りがでて

此れからは「未踏の山」を歩こうと 出掛ける様になりました。

 

そう思ってから10年以上も過ぎていくと

登れる山は どんどん少なく成っていきます。

下りは 未だマシとしても、登りの時間が標準のそれより掛かる様に成りました。

 

歩ける「未踏の山」「累積標高差の少ない山」

何処にでも 沢山有るのでしょうが

その手掛かりとなる 情報が…やはり 少ないですね。

「少ない」…というのは、自身の「気力をも減退」に有るのかも…

 

元気な頃は 暇さえ有れば出掛けて行って歩いた

我家から鈴鹿山地では最も近い綿向山1110m

ホームグラウンドの山…その山とも随分と御無沙汰に成りました。

 

先日はその綿向山へ 久し振りに単独登山。

御幸橋駐車場に停めて見回す景色も懐かしい。

登山口迄の大きな堰堤沿いの道、林道を踏み締める様に歩きます。

登山口では「やぁ、久し振りだね」と迎えてくれる 自然石に彫られた「綿向山」の文字。

 

杉の植林帯を縫う様に九十九折れに続く登山道。

以前は段差も無く歩き易かった道も 心持、荒れてきている様…

三合目の林道に出る迄が 随分と長くなった気がします。

それでも 三合目の「アザミ小屋」は通過。

 

三合目からも植林地の九十九折れ道は続き、少しだけ景色の広がる「五合目避難小屋」に着くと眼下に日野川や日野町が広がって 登って来た…という感じ。

少し寒いので避難小屋の中で休憩します。

小さな小屋で 窓も多いので明るくて居心地がいいですね。

入口の「夢咲の鐘」を鳴らして 暫しの暖かいコーヒーとお菓子タイム。

此処は僕にとっては想い出の場所。

今では家庭の事情や体力差等で御一緒する事も無くなった数人の「山友さん」との出会いが有ったところです。

連絡も途絶えてしまったけれど…どの様に過ごされているでしょうね。

 

五合目からは自然林も増えて景色も変化が出て来ます。

お花や眺望も広がって

歩く距離は残り半分だけど 時間は瞬く間に過ぎ去ります。

 

 

 

綿向山山頂1110m…やっぱり この景色は最高だねぇ…

正面に鈴鹿第二の山、雨乞岳1238m、右に鈴鹿のマッターホルン・鎌ヶ岳1161m、左には平らなイブネ1160mなど 鈴鹿山地が北から南まで ズゥーッと眺められます。

 

 

 

 

登山道で数人の登山者を見掛けたけれど 山頂は独り占め。

鈴鹿の山々のピークを眺めると 色んな想い出が蘇ってきますね。過去を顧みるのは年老いた証拠かな?…でも、いいモノです。

存分に堪能して往路を下る時は 清々しくなんだか若返った様な気持ちで下山出来ました。