シーロムコンプレックスまで、徒歩3分。
マニアックな東側から入る。
シーロム通り沿いは西側です。


入るや否や、バッグ屋さんを発見した。
すかさずお願いをする。


「スーツケースの鍵をなくしてしまいました。
何とかここで開けられませんか?」


店員のおばさんは、
「3階にもっと大きなバッグ屋さんがあるから、
そっちに行って。ここでは開かないよ」と教えてくれた。


エレベーターで3階へ。
うろうろすると、さらに大きなバッグ屋さんを発見した。
自分のと同じメーカーのサムソナイトのスーツケースが
いくつも陳列している。
これは、期待できるかもしれない。
グランドフロアの時と同じお願いをする。


すると、陳列している商品からひとつひとつ鍵を取り出し、
自分のスーツケースの鍵穴で試している。
同じタイプの鍵があってほしい。


ささやかな祈りも届かず、どの鍵も一致しなかった。
何も宝くじを当ててくれなんて、
大きい願いをかなえて欲しいわけではないのだから、
鍵のひとつくらい開いてもいいではないか。
ここでも、鍵は開かないのか。


がっかりして、うなだれていると、
隣の店の店員(おっさんだが、しぐさがくねくねしている)が
近づいてきた。
おっさんが話しかけてきたので、事情を説明すると、
何とかセンターというところがラマ4世通り沿いにあるから、
明日の9時にそこに行くといい、と、
ご丁寧に電話番号まで調べてくれた。
何とかセンターって何だろう。
サムソナイトの直営店か?
くねくねしてるおっさん、コップンカップ!とお礼を言って、
その場を去った。
せっかく教えてもらったが、
シーロムから4~5キロあるようなことを言っていた。
タクシーに乗っていくのか。
疲れているから、めんどくせーな、と心の中では不満たらたらだったが、
突然いいことを思いついた。


すがれるものには全てすがる。


1年前にバンコクに行くと決めた時、
現地のデモの状況や情勢などを詳しく教えてくれた人がいる。
万が一の時があったら、連絡ちょうだい、
と見ず知らずの俺に電話番号を教えてくれた。
確か、携帯に番号を登録したはずだ。
検索したらちゃんと登録になっていたので、
すぐに電話をした。


ゴ「もしもし、Gさんですか?」


G「違います。私、日本人の○○(Gさん本名)ですけど」


ゴ「あ、あの、SNSで友達にさせてもらってるゴン太です。
  本名は△△です。はじめまして」


G「あ、あ、こんちにはー」


ゴ「実は、かくかくしかじかで、とても困ってます。
  何かいいアイデアありませんか?
  とりあえず、今シーロムコンプレックスにいて、
  バッグ屋さんでいろいろ教えてもらったのですけど」


G「今、店員さんに代われる?私がタイ語で説明してあげるよ」


ゴ「よ、よろしくお願いします!」


Gさんが店員と話をしてくれた。
そして、明日の9時以降にラマ4世通りのセンターに向かうといいけど、
すぐに開けてもらえるかどうか、
電話で確認してから行った方がよい、とアドバイスしてくれた。


SNS上で友達になってから1年経ってないんですけどね。
親切にしてもらいました。
Gさんとは未だに直接会ってませんが、
声色からすると、如才なく、はきはきして、さわやかな感じだ。
話しっぷりも知性が感じられる。
当日は、パタヤーで仕事をしていたようだが、
ありがとうございました。


明日には、何とかスーツケースは開きそうだ。
よし、スーツケースをホテルの部屋に置いて、
タイマッサージ2時間コースに出発だ。