私の近隣には、当たり前のように竹があります。

 

かぐや姫伝説もある京都西山の竹林。

 

子供の頃、竹林の中を走り回って育ちました。

かぐや姫とはほど遠い幼少期です。(笑)

通学路も竹林の間の道。

美しい心の風景であり、情景です。

 

竹は、今も生活の中に当たり前のようにあります。

 

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家の横に生えている竹を切って、

2~3か月軒先に立てて陰干しにし、(水分・養分がたっぷりなので乾かします)

火であぶって脂分を抜き、(竹は脂分が多いのです)

細く割いて竹ひごを作り、(竹細工です)

染料で染めました。(繊維質の竹は染めやすいです)

 

染めた竹ひごと、

薄く伸ばした銀の平線を組んで、

銀の枠を作って竹ひごを固定したリングです↓↓

 

 

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かぐや姫伝説のある京都西山の丘陵地帯。

京都市西京区・長岡京市・向日市(むこうし)・大山崎町

 

この辺りは、美しい竹林の広がる地域です。

こういった環境のお陰で地下水が豊富。お水が美味しいのです。

この美味しい水はウイスキーの蒸留にも一役買っています。

 

竹林は、5年~8年ほど経った竹を伐採し、若い竹を残し、筍の栽培をしています。

秋の稲刈りが終わると、その藁を竹林一面に敷き詰め、

その上から土を薄く被せていきます。

被せる土の厚みは3㎝。測ったことないけど(笑)

そのくらい薄くふんわりと土を広げて被せていきます。

この作業、本当に大変な肉体労働なんですよ。

田んぼや畑のように、トラクターなどの農業機械を使うことができません。

土を、一輪車で少しづつ運び、鍬で薄く伸ばしていきます。

こういった栽培法を『京都式軟化栽培法』と言います。

 

京都の筍が『白子』と言われるブランド品なのは、

一年を通して、こういった手入れをされた竹林で栽培されているからです。

 

ところが、近年は竹林農家さんたちの高齢化や後継者不足のため、

手入れができなくなってきました。

そのため、荒れ果てた竹林が増えています。

 

 

全国的に見て、

確かに、ひと昔前に比べて、農業をやってみようという若い人が増えてはきたと思うけれど、

竹林を耕して、筍の栽培をやってみようという若い人は少ないのが現状です。

山仕事と同じく、重労働です。

一年間通して、手入れし、耕し肥料をやり、

収穫できるのは春の一か月間程度。

この一か月間の売り上げが、

一年間、体を張って頑張って育てた筍の収入です。

 

竹は、木に比べて成長も早い分、

竹林が荒れだすと落葉樹林にも進出して、森林を荒らしていくことにもなります。

これも問題。

 

この竹林問題は、この地域だけの問題ではないと思います・・・

たぶん、竹の生息地域全般、全国規模の問題ですね。

 

荒れていく竹やぶを見るのは何ともつらいものです。

生まれ育った地域のために、私にも何かできないだろうか?とは思うのですが・・・

 

最近は、竹をどのように利用するかを考えられていて、

古い伐採した竹をチップにし、パウダーにして田んぼや畑の肥料したり、

家畜の飼料にもなるようです。

(もちろん竹やぶに撒いて筍栽培の肥料にもなります。)

この竹パウダーを糠に混ぜると、糠づけも美味しくします。

竹もお米もイネ科の植物。米ぬかも竹パウダーも同じくイネ科の仲間(笑)

竹そのものも養分たっぷりで栄養が豊富。

 

農業をやってみたいという若い人たちが、

農業で、ゆとりある生活ができるように道筋を作れないだろうか?・・・

と思うのです。

地域の第一次産業、頑張ってほしいなぁ・・・

 

60代も後半に差し掛かってくると、

次世代が豊かに暮らしていけるように、

次世代に向けて、なんとか微力ながらも貢献できないだろうか?

と思う今日この頃です。