ハスキー犬ゴンタは昼寝中。

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おいおい!門番!寝たらあかんやん!

 

 

このところ時間が出来た時に、ばあ様の遺品整理を少しづつ少しづつしています。

 

5年前に亡くなったばあ様の部屋に、埃だらけの箱があって、

今日は勇気を出してあけてみたんですね。

そしたら、沢山の「ため紙」が入っていました。

 

「おため」ってご存知ですか?

「お多芽」とも書くそうです。

 

この風習、日本全国ではないようで、どうやら大阪や京都のものらしいです。

 

「ため紙」とはどういうものかというと、

写真を見ていただくと分かるように、

半紙を束ねたものに熨斗をつけ水引をかけ

金封を挟んだものです。

 

「おため」は、

お祝いや貴重なものを頂いたときに、頂いたものの約一割のお金を金封に入れ、

ため紙に挟んでお返しします。

 

 

京都の我が家では当たり前の習慣でした。

お祝い事のほかにも、

高価なもの・貴重なものや珍しいものを頂いたとき、

「おため」を包んで渡していました。

いつも「おため」の用意がしてありました。

また、「おため」の用意がなかったときは、

ちょっとしたお菓子や小物などを「おための代わり」と言ってお返しにしたり、

それもない時は「おためも何にもないわ。かんにんね。おおきに!」と頂いておき、

後日何か珍しいものが手に入ったときにお返ししてました。

 

寿の文字が入ったものは結婚祝いの「おため」です。

ばあ様の部屋にあった「ため紙」には、全部に新品の千円札が入っていました。

この「おため」、長女が結婚した時にばあ様が用意していたものだと思います。

初孫の結婚のお祝いを頂いたら、

この「おため」をお返ししようと用意していたのでしょう。

 

ちょっと前までは、結婚祝いや出産祝いは袱紗や風呂敷に包んでおうちまで持っていきました。

祝い盆にのせ、袱紗をかけ、縮緬風呂敷に包んで持っていきました。

結婚祝いは、風呂敷を二重に包んでいました。

 

お祝いを頂いた方は、風呂敷ごと受け取り、

その風呂敷に「おため」を包んでお返しするんです。

そのお返しにいただいた「おため」はそのまま置いといて、

内祝いを頂いたときにお返しします。

(ややこしいね。またもとに戻るんです。(笑) 「おため」が行ったり来たり)

 

長女が結婚した時は、式場の受付で直接お祝いを頂いいていたので、

「おため」を包むこともありませんでした。

自宅へお祝いを持ってきてくださったのは近くに住む親戚だけ。

ばあ様は気が抜けたかもしれません。(笑)

 

次女が結婚した時、ばあ様は体調を崩していたのでこういったことを用意する気力も体力もありませんでした。

 

ばあ様の孫娘への愛情だったんですね。

 

こういった風習はだんだん薄れていくんでしょうか。

この縮緬の風呂敷や袱紗は日本の伝統技術だと思うんですが、

需要が少なくなってきてるんでしょうね。

 

日本の伝統文化はどんな風に変化していくんでしょうね。