むかし
友人が陶芸家と結婚しました。
 
まだ売れない貧しい陶芸家の彼は、新婦である友人に陶器のリングを贈りました。
 
 
割れたらまた作る。
また割れたら、また作る。
 
夫婦は、4人の子宝に恵まれ、
にぎやかに苦楽を共にしました。
 
子供たちは成長し、それぞれの道を歩みだし独立していきました。
 
結局、彼女はプラチナやゴールドのリングをもらうことなく、
ご主人様は他界されました。
 
 
彼女曰く
「何個作ってもらったか分らんわ」
 
「初めて陶器のリングをもらった時ね、ナプキンリングかと思ったわ(笑)。
金属と違って厚みもあるやん。
邪魔になるし、ほとんど台所の引き出しの中。
ダンナには言わんかったけど、プラチナほしい!!って思ったわ(笑)」
 
「時々出かけるときは革ひも付けてペンダントにしたり(笑)。
そやけど、割れたらまた作ってくれるんよ」
 
「割れなくても作ってくれたんもあるんよ。気が向いたら(笑)」
「陶器は出来上がったら縮むやん。指にはまらないときもあるし、大きすぎてブカブカの時もあったし」
「何個も作って気に入ったんだけ私にくれるんよ」
「ほんまに笑うやろ?」
 
 
・・・ええ夫婦やん・・・
・・・ほんまにええ夫婦やわ・・・
 
 
 
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